長谷川幸洋「ニュースの深層」
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「米国大使との極秘会談」の裏に潜む
小沢一郎の「鳩山切り」

菅直人も財務省と組んでやる気マンマン

2010年05月14日(金) 長谷川 幸洋
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 米軍の普天間飛行場移設問題の合意期限である5月末が迫っている。加えて東京地検特捜部が小沢一郎民主党幹事長に対する再聴取に動き、政局はなにが起きてもおかしくない緊迫した展開になってきた。

 そんな中で今週初め、注目すべきニュースがあった。米国のルース駐日大使が小沢と極秘に会談し「鳩山は信用できない。岡田克也外相じゃ話がまとまらない。北沢俊美防衛相じゃ話にならない」と語ったというのだ(5月10日付け、毎日新聞朝刊)。

 記事によれば、小沢が盛岡市内で会食した関係者にそんな話をしたという。記事を書いた毎日記者はその「関係者」から話を聞いたということだろうか。経緯は不明だが、小沢サイドから表に出た話であるのは、まず間違いなさそうだ。

 小沢は同じ10日夕方の会見で「政治向きの話はしていない。おいしいワインをごちそうになっただけ」と会談したこと自体は認めている。

 記事が正しければ、少なくとも普天間問題に関するかぎり(そんな限定はいらないと思うが)、米国は鳩山政権をすでに見限っていることになる。そしてもっと重要なのは、小沢自身もどうやら鳩山政権を見限っているという点である。

 なぜなら、いくら相手が自分の支持者であったとしても、こんなルースの話を外に漏らぜば、鳩山政権に打撃になるくらいはだれでも分かる。百歩譲ったとしても、鳩山を軽く扱っている。小沢が本気で鳩山を守るつもりなら、間違っても会談内容を口外したりしないはずであるからだ。

 小沢が「ワインをごちそうになっただけ」と否定するのは当然だ。記事全体を認めれば、小沢も「鳩山を見限った」と公言したも同然になってしまう。

 米国が政権の命運を左右する極めて重要な要素であるのは、言うまでもない。そういえば『文藝春秋』6月号にも「爾後、鳩山政権ヲ対手トセズ」という記事が出た。普天間問題での「オバマの決断」であるそうだ。

 さしあたり、小沢の口から極秘会談が明らかになったというだけでも十分だろう。それほど重要な米国の本音を外に漏らしたという話が本当なら、それで小沢の鳩山に対する姿勢がうかがえる。

 小沢は鳩山を切るのに「米国ファクター」を使おうとしているようだ。

 鳩山政権の賞味期限が切れかかっているのは、いまやだれにも分かる。鳩山が辞めるとすれば、どういう形になるのか。そこがはっきりしない。政権は外からの攻撃では倒れない。内側から反乱に遭うときに倒れる、という一般原則にしたがって考えてみる。

次ページ  鳩山が小沢の傀儡であるとして…
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