政治政策 メディア・マスコミ 公文書

官房機密費「支出先文書は5年で廃棄」「9割が領収書不要」の実態

本来と異なる使途に流用されている…?
三木 由希子 プロフィール

作成と保管の双方に課題あり

また、政権交代が一定期間ごとに起こらない日本の政治状況であるものの、政権交代があったときに政界工作や世論工作の記録でもある政策推進費の使途をそのまま引き継ぐことは考えにくい。

例えば、2009年9月の民主党への政権交代が決まった後、当時の河村官房長官が2億5千万円を政策推進費から払い出していたことが、今回公開された情報からわかっているが(前掲毎日新聞)、このようなお金の使途の情報が次の政権の手に渡ることもないだろう。

〔PHOTO〕gettyimages

しかし、政権交代が決まっている段階で多額の機密費を払い出していることまでは、わかるようになった。

土壇場で多額が払い出されたなら、本来の使途と異なるものに流用されたのではないかという疑念が出てくる。

機密費問題は、高度な政治的判断で支出がされるのだから秘密でやむを得ないという考え方が根強い。

しかし、使用の目的が内閣の重要政策の推進のための対価として交渉や協力依頼に用いる以上、重要政策の形成過程、決定過程の記録として重要な意味を持っている。

 

公文書管理法は、意思決定過程を合理付に跡付け検証できるよう文書の作成を義務付けている。作成された文書は、検証できるように保管されてなければ意味がない。機密費は、この作成と保管の双方に課題があることになる。

政治的問題で難しいと言っているだけでは、課題に向き合ったことにならない。

さしあたり、5年で廃棄する機密費文書はいったん廃棄を凍結し、機密費の使途をどう記録し、保管し、引き継いでいくのかを議論する必要がある。

現在、森友文書改ざんと交渉記録の廃棄問題、防衛省日報問題を受けて、昨年度に続き公文書管理法について、見直しの議論が与党・政府で行われ、6月11日から公文書管理委員会での議論がはじまる。

改ざん問題から罰則の導入や電子決裁に推進、監視機能の強化などの必要性が、一つの社会的議論の方向になっている。

その一方で、まったく同じ問題はそうそう起こらないので、一連の問題を想定した強化策にとどまると、小手先の改善になってしまう。少なくとも、一連問題は行政の問題であると同時に、政治レベルの指導性や説明責任の問題が大きかった。

しかし、政治レベルの説明責任を徹底する方向に議論が動いていない。官房機密費問題や、以前に取り上げた佐川前国税庁長官の日程表一日廃棄問題など、タブーなしに公文書管理の問題を議論すべきだ。

新メディア「現代新書」OPEN!