シンガポール・マリーナ地区に現れた金正恩のソックリさん(photo by gettyimages)
北朝鮮 シンガポール

金正恩は北朝鮮を「シンガポール化」したいのかもしれない

日本人もマネしたい国家戦略

6月12日に予定されている米朝首脳会談に向けて、シンガポール政府は中心部にある「シャングリラ・ホテル」の周辺地域とセントーサ島の2つのエリアを「特別行事地区」に指定すると発表しました。

会談がおこなわれるセントーサ島とは超富裕層が暮らすエリア、会場の「カペラホテル」は5つ星で、駐妻たちの間で憧れのリゾートホテルです。実際に「もうカペラに行った?」などと話題に出ます。インスタに写真をアップし、さりげなく「もう行ったよ」自慢する駐妻もいるほどです。

「シャングリラ・ホテル」はハワイを思い起こすようなトロピカルな内装のホテルで、トランプ米大統領が滞在するとみられています。

どちらもリゾート感溢れるホテルなのでトランプ氏の好みだと推測されます。

シンガポールではFワンレースを行う際にもレースに使われる道路を封鎖するなど大胆な政策が取られることもあります。

ジャーナリスト・『コリア・レポート』編集長の辺真一氏がメディアで米朝首脳会談の開催地がシンガポールなのは金が一党独裁のシンガポールを理想国家として目指しているからという発言をしています。シンガポールの国家戦略とはどのようなものなのでしょうか。『シンガポールで見た日本の未来理想図』からその一部をご紹介しましょう。

罰則が厳しく、至る所に監視カメラ

シンガポールの治安のよさは日本以上だと感じます。

街中では有名デザイナーズブランドのロゴマークが目立ったバッグを身につけている人も多いですが、ひったくりや置き引きなども少ないです。対人口比犯罪件数は586件(2015年)、日本の刑法犯の発生率1580件(2013年)と比べても低いのです。

シンガポール・オーチャード地区のショッピングモール(photo by gettyimages)

日雇いの出稼ぎ労働者も含む外国人労働者が多いなか、治安が保たれているのは、罰則が厳しいからです。

日本では罰則ではない行為でも、シンガポールでは罰則とされている行為が多数あり、死刑やむち打ち刑もあるのも有名です。

チューインガムの持ち込み禁止は有名ですが、その他にも地下鉄内での飲食、タンやつばの吐き捨て、タバコやゴミの投げ捨て、禁煙区域で喫煙、鳥のエサやり、水洗トイレの水を流さない、公共の場で禁止時間帯(22時半以降、翌朝7時まで)に飲酒、などが代表的な事例です。

これらの行為を行うと、高額な罰金を課される可能性があります。

監視カメラも至るところにあるので、誰も見ていないからと思っていても、後から通報されて逮捕されるリスクもあるのです。

また、死刑やむち打ちなどの厳しい処罰があるのも有名です。

例えば、一定量以上の違法薬物をシンガポールに持ち込んだ場合は死刑、公共物に対して落書きをしてむち打ち刑になった外国人も過去にいます。

誘拐罪の最高刑は死刑、又は終身刑及び鞭打ち刑という強力な罰があるので、子供が誘拐されるリスクも低いのです。

シンガポールでは16歳以上は、成人と同様の刑事手続きになり、基本的に特別扱いはされません。日本では新聞に載らないような小さな事件でも実名で顔写真付きで新聞報道されることもあります。これほどまで厳しい罰があるので、治安は守られているのです。 

また、シンガポールでは兵役があり、18歳に到達したシンガポーリアン男子と親が永住権保有者の外国人男子は2年間ナショナルサービスに従事する義務があります。

その後も男性は40歳までは年一度招集を要請されたらそれに応じる義務があります。身近なシンガポーリアンの友達も「先週は兵役できつかった」という声を漏らすことも日常的にあります。

日本では徴兵制はありませんが、世界には徴兵制を実施している国家や地域も多く、アジア諸国では韓国、北朝鮮、タイ、マレーシアなどが代表例です。

スイスは永世中立国ですが、その変わりに国防を自国で行う必要があり徴兵制で実は軍人の割合が高い国です。

シンガポールは国家予算のうち教育費と並んで軍事費に一番お金をかけており、米軍とも安全保障協力という形でパートナー関係が強化されており、軍事力を維持しています。

空港や街中で重装備の警察官を見かけることもよくあるのですが、警備もしっかりなされているのです。

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