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35歳の「高齢処女」が、初めてのパートナーから学んだ大切なこと

自分で自分に重荷を背負わせていた

国立社会保障・人口問題研究所の発表によると、独身女性の約60%が交際相手がおらず、さらにそのうち約40%には、性経験がないという。

都内の総合病院に看護師として勤める中島麻衣さん(仮名・35歳、独身)も、つい先日まで、そんな「高齢処女」の一人だった。麻衣さんが30代半ばで処女喪失を体験し、思い通りにならない現実と向き合うようになるまでを追った。

 

タイプじゃない、けれど…

麻衣さんは、前回の記事で記した啓介との交際が破局した後、友達がセッティングした合コンに出かけた。35歳の夏だった。これがラストチャンスかもしれないと思った。

銀座のおしゃれなタイ料理店――。そこに現れたのが、鈴木良太(仮名・32歳)だった。

良太の仕事は電気工事士で、いわゆる根っからのロボット系アニメオタク。趣味はアキバ巡りで、合コンの場でもそれを全く隠す様子はなかった。

背は低く、太っている。かつての麻衣さんなら、一目でパスしていたタイプだった。良太は、合コンの場でも、大好きなガンプラの話を嬉しそうに喋っていた。

「好きとか、一目で惹かれたとか、ときめいたとかは全然なかった。ただ、なんか、この人といると落ち着きそうと思ったんです」

麻衣さんは勇気を出して、良太を初めてLINEで食事に誘った。自分から、男性をデートに誘うのは初めてだった。

自分から踏み出さなきゃ、何も変わらない――、そう感じたからだ。

良太は、そんな誘いに乗ってくれた。休日が合った日は、2人で会ってデートするようになった。大好きなガンプラの話を、目を輝かせてしゃべる良太。麻衣さんは、その話に耳を傾けるだけで良かった。それが楽しかった。

ある日、新宿で2人で呑んでいたら、気がつくと終電を逃してしまい、漫画喫茶で一夜を過ごすことになった。2人きりになったときに、良太が、「付き合う?」と切り出したので、そのまま頷いた。

良太は単刀直入に、麻衣さんの部屋に行きたいと言った。そして、そのまま、都心に近い麻衣さんの一人暮らしのマンションに転がり込んだ。

きたきたきた!――と麻衣さんは思った。

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男と女の駆け引きのようなものはなかった。麻衣さんの家に着くなり、ドアを閉めて、電気を消して、手を握り合い、セックスというただ一つの目標に向かって突進するかのような雰囲気になった。

麻衣さんは、良太にも、この瞬間まで自分が処女であることは告げていなかった。処女だと知ったら、引かれるんじゃないか――そう思っていたからだ。

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