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世界経済 中国 アメリカ

投資家の胸を不安にさせる「世界経済、続々出て来るリスク要因」

さて、日本にも及ぶのか

リスク続発

金融市場でリスクが急速に高まっている。

その背景には、米国がイランの核合意から離脱を表明したことや、イタリアの政治不安などがある。一方、米国経済は緩やかな回復を維持しており、今すぐに世界全体の景気が減速する可能性が低いだろう。実体経済はそれなりにしっかり、投資家心理はリスク要因で一杯という構図だ。

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今後も、金融市場の不安定感は高まりやすいだろう。世界経済最大のリスク要因であるトランプ大統領の不規則発言が続きそうだからだ。通商面を中心に米国が強硬姿勢を強める可能性がある。米国はわが国にも様ざまな譲歩を求めるだろう。

その場合、企業の業績下振れ懸念の上昇などから、リスク回避的な動きが出やすい。状況によっては、米国の政策リスク、地政学リスク、欧州の政治リスクが同時に高まり、想定外に金融市場が混乱することも考えられる。

 

日本にしわよせが来ることも…?

5月20日、米国のムニューシン財務長官は中国との貿易戦争の休止を発表した。この発言に、胸をなでおろした市場参加者は多かった。なぜなら、米ソの冷戦と異なり、米中は経済面での相互依存度が高いからだ。全面衝突はできない。表向きは、鍔迫り合いを演じつつ、水面下では妥協点を探るのが現実的だ。

しかし、安堵も束の間、トランプ政権は輸入自動車への最大25%の関税賦課を検討し始めた。このインパクトは大きい。25%もの関税がかけられれば、米国の消費者だけでなく、各国に大きな負担が生じる。

わが国では、自動車関連の就業者は全体の8%におよび、産業のすそ野が広い。現実的に考えれば、実現可能な政策ではない。

そうした政策の背景には、中間選挙に向けた支持確保がある。通商問題は選挙イヤーの慣例行事だ。3月に対中制裁措置が発表されて以来、大統領支持率は持ち直した。トランプ氏のコア支持層である白人労働者らは、対中強硬策などが自分たちの暮らしぶりを改善させると期待している。その支持を取り込むために、トランプ政権は強硬姿勢を強めるだろう。

すでに、その影響は顕在化している。鉄鋼関連の関税発動を巡るEUと米国の協議では、事態の進展が見られなかった。6月中旬に米国は、中国に対する追加的な関税措置を発表する予定だ。中国は報復を示唆し、米国からの圧力をかわそうとするだろう。欧州や中国が米国の圧力に反発すると、わが国にしわよせが来ることも考えられる。