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オリンピック 経済・財政 週刊現代

トップアナリストが警告!東京五輪後、日本経済はこうなる」

ベストセラー『日本の国難』著者 

世界経済の動向、技術革新の影響、財政問題の行方……トップアナリストが多角度かつ冷徹に分析して見えてきたのは、凄絶な近未来の姿。日本人の給料、雇用、生活は想像を絶するほど激変する。

世界同時不況の兆候

5月21日の東京株式市場で、日経平均株価が節目の2万3000円台を叩き出し、市場関係者が沸きたった。

それもそのはず。2万3000円台は約3ヵ月半ぶりの高値。今年3月には2万円割れ寸前の暴落相場だったのが嘘のような大復活だけに、マーケットから歓喜の声が上がったかたちである。

世界に目を転じても、ニューヨーク株式市場ではダウ平均が約2ヵ月ぶりの高値をつけるなど、市場は過熱するばかり。

さっそくマーケットでは「ふたたび日本株は3万円を目指す展開に入った」とも聞こえてくるほどだが、果たして鵜呑みにしていいものか。

「たしかに日本の株式市場もアメリカの株式市場も依然として上昇基調が続いています。そのため、『少なくとも2020年までは大丈夫なのではないか』などと楽観的に捉えている人も多いかもしれませんが、それは非常に危険です。

私は、2020年の世界経済は、リーマン・ショックほどとはいわないまでも、世界的な借金バブルの反動によって世界同時不況を迎えているのではないかと予測しています。

しかも、日本経済はアメリカと中国の好景気に多大なる恩恵を受けているので、その悪影響がもっとも及び、経済成長率が主要先進国のなかでいちばん落ち込むと考えられる。

実際、リーマン・ショック翌年の'09年の日本経済の成長率はマイナス6.0%にまで落ち込み、主要先進国のなかで突出して下落率が大きかったのです。

加えて、2020年前後にはAI(人工知能)技術の発展、人口減少の進展などといった難題が本格的に降りかかり、日本の会社や雇用、給料は大きな変化にさらされることになる。

まさに日本がこれから国難を迎える時期に突入しようとするなか、楽観などしている場合ではないのです」

 

そう指摘するのは、ベストセラー『日本の国難 2020年からの賃金・雇用・企業』(講談社現代新書)著者で経済アナリストの中原圭介氏だ。

中原氏といえば、アメリカのサブプライム危機を「予言」したことで知られるトップアナリスト。そんな氏が今回、東京五輪後の「日本のリアル」を語り尽くした。

2020年以降の日本経済を見通すとき、まず押さえておかなければいけないのは、そのときに世界経済は「同時不況」という惨事に見舞われている可能性があるということです。

たしかに現在、世界経済は堅調に推移しています。そのため、私がいうような危機説は信じられないという方もいるでしょう。しかし、世界経済の実情にしっかりと目を向ければ、むしろ根拠のない楽観がいかに危険なことかをわかっていただけると思います。

順を追って説明しましょう。

まず、あまり知られていませんが、世界の好景気を牽引しているアメリカ人の旺盛な消費が「限界」に近づいてきました。

アメリカ人はローンを組んで自動車や住宅などを購入するのが一般的ですが、その借金=家計債務の額が過去最高水準に膨れ上がってきたのです。

具体的なデータで示しましょう。'17年12月末時点でその額は13兆1000億ドル、当時の為替レートで換算すると約1410兆円にのぼります。なんとこれは、世界金融危機が巻き起こった'08年9月末時点の12兆6800億ドルを上回る水準です。