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不正・事件・犯罪 政局 週刊現代

愛媛県知事・中村時広が独白90分「総理はわかっているはずです」

「嘘つき呼ばわりは耐えられません」

政府の言い分を覆す文書が次から次に愛媛県から出てくる。みんなが正直に話せば、どうということない――中村知事はそう話すが、そのとおり。なぜ正直に話せないのか。さぁ、みんなで考えよう。

記憶vs.記録

中村 「最初に申し上げたいのは、私は世間で言われているように安倍政権の倒閣運動をしているわけではない、ということです。

反安倍政権といった観点から、県政を行っているわけではありません。実際、加計学園の獣医学部に違法性があると言ったことは一度もないんですよ。公明正大に行政が行われているかどうかだけが問題なのです。

その上で申し上げると、愛媛県が提出している文書はウソ偽りのないものです。愛媛県の県職員は誠実で真面目で、日本一の公務員だと私は思っています。それは7年間、県政を見てきた知事としてはっきり申し上げられる。

知事である私でさえ、そんな細かいことまで記録しておくのかと驚くほど、すばやく正確にメモを取る。思わず、「君たちが一番怖いな」と言ったら、職員はみんな笑い声を立てていましたよ」

 

中村時広・愛媛県知事(58歳)。彼の発言に、にわかに注目が集まっている。

安倍晋三総理が「腹心の友」と呼ぶ加計孝太郎氏が理事長を務める加計学園グループの岡山理科大学が、愛媛県今治市に獣医学部を新設した。その経緯に友人に対する「特別な配慮」がなかったのか、加計問題ではその一点に焦点が集まっている。

安倍総理は加計氏が獣医学部を新設しようとしていたことを、'17年1月まで知らなかったと断言している。

ところが、愛媛県が5月21日に公開した新しい文書では、'15年2月25日の時点で安倍総理と加計氏が面談し、「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」と応じたことが記載されていた。

総理の発言と愛媛県の文書、どちらが正しいのか――。中村知事が5月23日夜、自宅前で取材に応じた。

中村 県職員が作った文書の内容を、安倍総理や柳瀬唯夫経産審議官は否定しています。柳瀬氏は当初は否定していた愛媛県職員と会った可能性を国会で認めましたが、「首相案件」という言葉を使ったことや、新文書に記載されている内容も否定しています。

記録を作成した県職員が柳瀬氏によって「ウソつき」呼ばわりされていることは、知事として耐えられません。

安倍総理も'15年2月に加計孝太郎理事長と面談した記録はないと言っていますが、これは否定ではなく、「ノーコメント」ではないでしょうか。政権には、愛媛県の文書が厳然と存在していることをわかっていただいていると思います。

こちらはあくまでも県庁に残っている文書を提出しているだけ。政権サイドが、記録が残っていないことを理由に文書の内容を否定しても、彼らは否定材料を示しているわけではない。だから「あー、そうですか」としか言いようがありません。

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