医療・健康・食

元人気AV女優が「性病クリニック」を立ち上げた理由

性感染症は他人事ではない
現代ビジネス編集部 プロフィール

結果を知るのは怖いけれど…

クリニックは自由診療で、誰でも予約なしで受診可能だ。問診の後、血液検査や尿検査、膣や咽頭の分泌物を採取する検査などにより、梅毒、エイズ、クラミジア、淋病、カンジダ、B型肝炎、C型肝炎といった感染症の有無を調べることができる。

料金は全てを検査するオールセットなら22800円、梅毒や淋病など主な性病を調べるスタンダードセットなら17600円。ほかにシンプルセット11600円、個別検査なら1400円からある。

最大の特徴は、専門医が安全で確実な採取を実施し、専門機関による精度の高い検査を実施していること。さらに検査も迅速だ。一部は当日判定も可で、通常でも基本的には翌日夕方には結果が出る。

検査結果は郵送やパソコン、スマホでも確認することもでき、希望者は匿名受診も選べてプライバシーが厳守されている。

白とブルーを基調とした清潔感あふれる「池袋駅前ライフクリニック」の待合室

もし何らかの病気に感染していたら、母体である「池袋クリニック」に紹介し、保険診療により適切な治療が受けられる。もちろん自分でほかの病院を選択するのもアリだ。

AV業界でも昨年春から性感染症の検査が必須となりました。もともと女優でしたし、事務所を経営していたので痛感しますが、これは女優の身体を守るという意味でもすごく大事なこと。

結果を知るのはやっぱり怖いけど、治療して治すことが一番大切で、早ければ早いほどいい。それも自己採取による検査ではなく、医療従事者の採取による正確で安全な検査がいい。判定があいまいになったり、治療が長引いたり、手遅れになることもありますから。

例えばクラミジアはオーラルセックスにより口や喉にも感染する場合もあります。そういうことを知らない人が多い。風俗関係の方も、ぜひ検査に来てほしい」

 

性感染症は誰にでも起こりうる

日本の性感染症予防の認識の低さについても、夏目さんは心配する。

「現在、AV業界では、大手メーカーの作品は女優も男優も検査の結果表を掲示しなければ撮影ができないので、ある意味でクリーンになっていると思います。逆に懸念されるのが一般の人。性交渉の経験がある成人の20人に1人はクラミジアに感染しているそうです。母体のクリニックの医師によると、梅毒が増えているという話も聞きます」

厚生労働省の性感染症報告数データによると、日本で一番多い性感染症はクラミジア。2016年の感染者(定点報告)は計24397例で、ここ10年はほぼ横這いだが、全体の年間感染者数は100万人以上になるともいわれているという。

さらに注目すべきは、最近急増している梅毒だ。2012年の報告数は875例だったのが、2016年には5倍近くの4575例、2017年暫定値でも5820例と感染の拡大は止まる様子がなく、国も警鐘を鳴らしている。

特に女性は20代、男性は20~40代の報告が多い。自分が感染していることに気付かないまま、知らず知らずのうちにパートナーなどにうつしていることも原因のひとつとして考えられる。それら感染症の対策に重要なのが、定期的な検査なのだ。

「海外では彼氏や彼女が変わったら、自分とパートナーの身体を守るためにも検査をするのが普通の場合もあるようですが、日本だとどうしても隠してしまうんですよね。恥ずかしかったり、馴染みがないのでなかなか検査を受ける習慣もない」

性感染症の問題は他人事ではなく、誰にでも起こりうること。パートナーに限って、自分だけは大丈夫、という確証はどこにもない。ネットでさまざまな情報が氾濫する時代、何が本当で何が間違いか、正しい知識が浸透していないのも事実だ。性行動の低年齢化により、性に関する知識が少ない十代の感染も増加傾向にあるという。

「そういう話ばかりだとセックスや大人の性の楽しみが怖くなっちゃうのは困るんですけど。今は良い治療法もたくさんあるので、早く病気が見つかれば怖くないということなんです。定期的に検査することで安心して楽しめるので、日本でも検査が普通になればいいのにと思う。不安を訴える場所も少ない。気になる人はぜひ一度、まずは相談に来てほしい」

【池袋駅前ライフクリニック】
東京都豊島区西池袋1-16-1 新東第一ビル6階
電話:03-5904-8775
診察時間:月火木金10時~13時、14時半~18時半
土 10時~15時
休診:水・日・祝