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金融・投資・マーケット 週刊現代

買えば世のため、人のためになる「ESG投資」で気分良く儲ける

世界的なブームになりそう

株式投資で儲けながら、同時に社会貢献活動ができる。そんなまったく新しい投資術が世界的なブームとなっている。しかも、じっくり資産を増やすのに打ってつけ。始め方から厳選銘柄まで全紹介。

株主優待で被災地に寄付

個人投資家の佐々木保氏(仮名・67歳)は最近、人生で初めて「寄付」をした。

公益社団法人『セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン』を通じて、東日本大震災で被災した子どもたちを支援する活動へ寄付をしたのだが、一風変わっているのは、佐々木氏はその寄付を「株主優待制度」を使って行ったことである。

佐々木氏が言う。

「私は玩具大手バンダイナムコホールディングス(HD)の株を保有しているんですが、その株主優待で『寄付』を選べることを知ったんです。

株主優待というと、商品券やサービス券がもらえる特典が多いところ、バンダイナムコHDでは相当額を『寄付』するという選択肢が設けられていたからです。

これまでも寄付には興味がありましたが、寄付先の団体選びから振り込み作業までを自分でやらなければいけないので、正直面倒でした。しかし、株の優待制度を利用して簡単にできるならばと、やってみることにしたんです」

あまり聞き慣れない株主優待制度かもしれないが、その仕組みはいたってシンプルだ。

まず、バンダイナムコHDの株主にはその保有数に応じて、「100~499株=2000ポイント」、「500~999株=4000ポイント」という形で株主優待ポイントが与えられる。株主は1ポイント=1円分として、株主優待のラインナップからどれを選ぶかを決められる。

ラインナップには、「玩具店などで使用できるこども商品券500円分」、「バンダイナムコアミューズメントが運営するテーマパークで使用できるナムコチケット500円分」、「バンダイナムコグループの人気キャラクターなどの描き下ろし複製イラスト」などと並んで、「東日本大震災被災地の子どもたちへの支援(寄付)」が選択肢として設けられている。

寄付を選んだ株主からの寄付総額と同額を同社が拠出し、合計1000万円以上になったら、前述の公益社団法人を通じて、東日本大震災被災地の子どもを支援する活動に寄付が実行される。

仮に合計金額が1000万円に満たない場合でも、不足分を同社が追加拠出するので、必ず寄付金は被災地の子どもたちに届くようになっている。

「特典をもらわないで寄付するのは『もったいない』と言ってくる人もいますが、私はそう思いません。

昨年春にバンダイナムコHDの株を購入したときには3500円台だった株価は、いま4000円を超えています。すでに大きく儲けさせていただいているうえ、投資を通じて社会貢献もできるのであれば、こんなに素晴らしいことはない。

もともと投資でガツガツ儲けようとするのはどこかはしたないとも思っていたので、そんな私には打ってつけでした」

 

こうした「社会貢献型」の株主優待制度を設ける企業はいま増えていて、たとえばコンタクトレンズ大手のメニコンでは、株主優待の選択肢に「メニコン商品券3000円分」、「コンタクトレンズ用ケア用品6本」などと並んで、「寄付」がラインナップ。

国の特別天然記念物であるトキの保護・支援を目的とする新潟県佐渡市の「トキ保護基金」への寄付で、投資をしながら環境保護活動をできる仕組みになっている。松井証券シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏も言う。

「投資家から利益を一部放棄してでも社会貢献したいという動きが徐々に増えてきているなか、企業側が社会貢献団体へ寄付などをできるシステムを導入する動きが活発化しています。

ヤマハ発動機では、もともと会社として『目の不自由な方々が安心して街を歩けるよう盲導犬を贈ろう』という募金活動を行っていたところ、株主優待を使ってその募金活動に参加できるプログラムを用意している。

日本ペイントHDでは子ども向けの卓球台を保育園や幼稚園に寄付するプロジェクトを行っており、そこに株主優待で寄付できる」

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