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カメの甲羅はどうやってできるか知っていますか

脊椎動物の異端児だった!?

地球上には無数の生物が存在し、脊椎動物だけでも4万種類以上いるという。しかも、それぞれにかたちが異なり、中には「どうしてそんな姿になったの?」と思わざるをえないユニークな動物もいる。その代表格のひとつ、カメの甲羅の形成を調べ、動物たちの形態進化について研究する理化学研究所倉谷形態進化研究室の倉谷滋博士に話を聞いた。

理化学研究所発行「理研の博士に聞いてみよう!」より)

写真撮影:奥野竹男

倉谷 滋 博士
 

理化学研究所 倉谷形態進化研究室

主任研究員

カメの姿を思いうかべてみてください。まず何がうかびましたか? 「甲羅(こうら)!」という人が多いのではないでしょうか。甲羅を背負った姿は、昔話やアニメでもおなじみですね。

でも、カメの甲羅は、動物の体のかたちを研究している研究者にとっては「いったい、どうやってできたんだ!?」と頭をかかえてしまうほど、とても不思議なものなのです。私は、カメの甲羅がどのようにしてできるのか、その謎解きに挑戦しています。

【写真】色々なカメ
  いろいろなカメ。下から、アカミミガメ、ニシキマゲクビガメ、スッポン。どれも若いもの

甲羅って何?

アニメでは、カメが甲羅を脱いで逃げる、なんていうシーンがありますね。でも実際は、カメは甲羅を脱ぐことができません。カメの甲羅は、肋骨という骨が背骨とくっついて板のようになったもので、体の一部なのです。そして表面を、爪と同じかたい物質がおおっています。

肋骨は、みなさんの体にもあります。自分の胸をさわってみましょう。骨がわかりますか。背中から伸びて胸をかごのように取り囲んで心臓や肺などの内臓を守っている骨が、肋骨です。次に、肩の後ろにある骨をさわってみましょう。それが肩甲骨(けんこうこつ)です。みなさんの肩甲骨は、肋骨の外側にあります。

カメも肩甲骨を持っています。ところが、カメの肩甲骨は、肋骨の内側にあるのです。背骨を持っている“脊椎動物”の中で、肋骨と肩甲骨の位置が逆になっているのは、カメだけなのです。

【図】ヒトとカメの肩甲骨、肋骨のちがい
  肩甲骨と肋骨の位置のちがい