MUJI HOTELのレセプション(写真;編集部)
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なぜMUJI HOTEL世界第1号店は「深セン」で開業したのか

自腹調査につき忖度は一切しません

世界中のムジラーの聖地?

きっかけは台湾人の友人(30代男性、メディア系企業勤務)のInstagramの投稿だった。

近頃何かと話題の中国・深圳に、今年1月10日にオープンした無印良品(以下、無印)がプロデュースするMUJI HOTELに、オープン早々に宿泊してきたという。おなじみのMUJIのロゴや、スタイリッシュな内外観の写真がアップされていた。言葉は悪いが、中国っぽくない。そこが東京やニューヨークだと言われても違和感がない。

MUJI HOTELのレセプション(写真:編集部)

日本のメディアではそこまで大きく取り上げられていなかったが、世界中の無印好き、いわゆる「ムジラー」待望のMUJI HOTEL世界第1号店オープン。ちなみにその台湾人の友人も超ムジラー。来日する度に無印で爆買いするのが恒例行事だ。

「台湾にも無印あるんでしょ? 何でそんなに毎回爆買いすんの?」
「だって台湾だと関税の影響で日本で買うより値段が高いんだよ。それに日本で買えば免税になるし(編集部注・一部店舗に限ります)」

 

日本では無印といえば、ユニクロと並ぶ人気ファストファッションブランド、但しユニクロよりちょっと意識高め、といったイメージだろう。衣料品以外の雑貨や食品なども、無駄な要素を削ぎ落としたシンプルなデザインで使いやすく、安価で店舗数も多い(2018年2月現在日本国内で419店舗)こともあり、日常使いのブランドというイメージだ。

だが、台湾では日本よりも少々値段がお高いこともあり「違いの分かる人が愛用するちょっとハイセンス&ハイクオリティなブランド」として人気。台湾では無印でバーゲンが開催されると行列が出来ることもしばしば。確かに、実はプロダクトデザインのクオリティが高く、シンプルだが品質の良いものを好み、しかも親日家がおそらく世界で一番多い台湾で無印が人気なのは納得だ。

そんなに深圳ってすごいの?

そんな彼の投稿を見て、素朴な疑問が湧いた。MUJI HOTELは一体なぜ、第1号店を本拠地の日本ではなく(2019年に銀座にオープン予定)、はたまた欧米や台湾でもなく、中国にしても首都の北京(今夏オープン予定)や商業の中心地である上海ではなく、大した観光地もない深圳にオープンしたのだろうか? 

MUJI HOTELを経営する株式会社良品計画(以下、良品計画)の広報担当にこの疑問をぶつけてみたところ、以下のような回答が返ってきた。

「深圳において、無印良品に深く理解・共感してくださっていて、今回新しい試みをともに行うビジネスパートナーと出会えたため開業に至っております。中国は、日本に次いで無印良品の店舗数が多い国(編集部注・2018年2月現在229店舗)であり、たくさんのMUJIファンがいる重要なマーケットと捉えています。

MUJI HOTELに併設されている無印良品店舗〔写真:編集部)

なかでも、深圳はわずか30年の間に、人口3万人の漁村から1400万人の大都市へと発展をとげ、ビジネスやイノベーションが絶え間なく生まれ、日々めまぐるしく変化する魅力的な街です。深圳には、世界中から出張や観光でたくさんの方々が訪れ、滞在をされています。MUJI HOTELは、そういった方々にとって居心地の良い拠点でありたいと考えています」

現代ビジネスでもここのところ急に多数、深圳の発展ぶりについてレポートする記事が公開され、どれもよく読まれている。実は「深圳が第1号店になった理由ですが、北京と銀座も同時進行的に話が進められていた中で、たまたま最も早く開業できたのがこの場所でした」(良品計画広報)とのことだが、それにしてもビジネス展開の素早さに深圳の街としての勢いが見て取れる、と感じた。

これはちょっと現地に行って見てみた方が良いのではないか——思い立ったら即行動、ゴールデンウィークに香港経由で深圳に入り、世界初のMUJI HOTELに宿泊することにした。

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