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「飲食店経営で地獄を見た」漫画家が古民家経営に成功した理由

ポイントは「ローコスト」「ローリスク」
折原 みと プロフィール

「お金をかけずして楽しむこと」それが、この古民家のコンセプトだ。
設備投資は極力抑えて、姉や私の家で不要になった家具や食器や電化製品を持ち寄った。新しく買ったものといえば、ヤフオクで落札した囲炉裏テーブルと台所の茶箪笥、レトロなランプシェードくらいなもの。
 
趣のあるテーブルは2万円。茶箪笥は1万円程度、ランプシェードは2千~3千円で落札。昭和レトロな古いものを買うなら、ネットのオークションが一番だ。一般的にあまり需要がないらしく、良いものが安く手に入る。 
 
家の状態はよかったので最初はそのまま使っていたけれど、トイレが狭すぎて使いにくかったのと、土間の土埃が酷いのに閉口して、トイレと土間だけはリフォームすることにした。リフォーム代金は約40万円。それが、この家にかけた最大の投資だ。

土がむき出しの土間は板張りにした。最近では玄関に大谷石と砂利を敷いてプチリフォーム。少しずつ手作りでグレードアップしていくのも古民家の楽しみ 写真提供/折原みと

自分使いから他者への借用も

古民家を借りてからは、田舎に行く回数が格段に増えた。庇の大きい昔の日本家屋は、風通しがよくて涼しく、夏でもエアコンいらず。目の前は田んぼなので、田んぼの緑の上を渡ってくる風は、まるで天然のクーラーだ。

 

 開け放した縁側に吊るした風鈴の音、蚊取り線香の懐かしい香り。ひんやりした畳に寝転んでお昼寝をする夏の昼下がりは、まさにザ・昭和の夏休み!! 井上陽水の名曲『少年時代』そのものだ。天井が高いので冬は寒いが、石油ストーブを点け、炬燵に入ってぬくぬくするのも心地いい。

古民家にもともと置いてあった立派な欅の一枚板は、足をつけて土間のカウンターテーブルに。昼間は、窓からの緑を眺めることのできる仕事机。夜は、雰囲気のいいバーコーナーとして活用している。テレビもなく静かな古民家は、仕事をするにももってこいなのだ。

昼間は仕事机、夜はバーになる、欅の一枚板のカウンター。お金はかかっていない! 写真提供/折原みと

お花見、たけのこ掘り、蛍、夏休み、お月見、炉端焼き……。四季折々、私は都会から友人を招いて大人の古民家遊びを楽しむようになったが、それでも、せいぜい田舎に行けるのは1〜2か月に1回のペースだ。

そこで、1年もたった頃、地元に住む姉が、古民家を地域のコミュニティスペースとして活用し始めた。