まるで「少年時代」に出てきそうな風景。この家賃が月なんと… 写真提供/折原みと
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「飲食店経営で地獄を見た」漫画家が古民家経営に成功した理由

ポイントは「ローコスト」「ローリスク」

「飲食店経営に手を出して、まさに『地獄にハマった』漫画家の話」のシリーズで知られる漫画家&小説家の折原みとさん。なんと「夢の古民家経営がすごくうまくいっている」と言う! 失敗を糧にした成功談を聞かせていただこう。

夢の古民家暮らしが実現するまで

 4年前、茨城の田舎で築80年の古民家を借りた。
家賃は、なんと1カ月たったの1万円だ。

広い庭付きの古民家。家賃月1万円・・・ 写真提供/折原みと

そこは筑波山のふもとの、なだらかな丘陵に囲まれた小さな里。民家は田んぼや畑の周辺に、ぽつりぽつりと数軒あるだけ。外灯もほとんどなく、夜は真っ暗。「日本の里山100選」にも選ばれている「トトロ」がいそうなド田舎だが、東京から車でも電車でも1時間程度と、意外にも便利な場所だ。30数年前に姉がこの里に嫁いでいて、私も年に1、2度は遊びに来ることがあった。
 
私の実家はこの里から車で20分ほどの市街地だが、中途半端な田舎よりも、ここまで徹底したド田舎の方が、断然ロケーションがよくて面白い。
 
その古民家は、姉の家から徒歩5分。散歩中に通りかかり、空き家だというので気になっていた。「田舎のおばあちゃんち」のような、昭和レトロな古民家暮らしに、以前から憧れていたのだ。根っからの地元民である義兄に訊くと、古民家の持ち主は義兄の親戚だという。田舎には、近隣が同姓の親戚だらけというのはよくある話だ。
 
古民家は、最近まで茅吹き職人が借りていたが、今は転出して空き家になっている。家は人が住まないと痛んでしまうので、頼めば格安で貸してくれるかも。
 
そう聞いたら、もういてもたってもいられなかった! 早速大家さんに会いに行くと、きれいに使ってくれるなら家賃は年間15万円でいいとおっしゃる。ん? 15万? 月じゃなくて? 年間で……!?

 

 築80年以上とはいえ、どっしりと立派な構えのその家は、田舎の古い家にはよくある「田の字」という間取りで、8畳の部屋が田の字に4つ。台所と広い土間のあるいわば4LDK。庭には納屋もあり、敷地面積はおよそ300坪。それでこの家賃なんて、都会の常識ではあり得ない!!

即決だ。こうして、賃貸といえども、私は憧れの古民家オーナーとなったのだった。

投資できる「範囲」を考える

とはいえ、私の自宅は神奈川県。そういつも古民家にいるわけにはいかない。姉が趣味の集まりや遊びに使うというので共同で借りることになった。家賃も折半、光熱費などの維持費を加えたとしても、自己負担は年間10万円ほど。これなら、趣味の投資として損はないだろう。
 
私は、やりたいことがあると後先考えずに突っ走ってしまう性格で、そのために失敗することも少なくない。以前、無謀にも高原のドッグカフェ経営に手を出して多額の投資を無駄にしたことがあり(その経緯をまとめた記事はこちら)、その教訓から少しは慎重になっていた。