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中国・李克強首相が初来日で日本に求めたこと「全文公開」

日中首脳会談110分を読み解く
近藤 大介 プロフィール

首脳間往来の復活は吉報

日中首脳会談で決まったのは、主に以下のことだった。

・今年中に安倍首相が訪中し、その後、習近平主席が訪日する。
・急速な少子高齢化への対応で協力していく。
・日中社会保障協定への署名を歓迎する。ともに両国企業の負担軽減を実現するため、同協定の早期締結を目指す。
・自由経済貿易体制の維持・推進のための、国際ルールに基づく、自由で開かれた、公正な経済秩序を構築していく。
・中国は日本に対して、2000億元の人民元適格外国機関投資家(RQFII)枠を付与する。
・人民元クリアリング銀行を設置し、円=元の通貨スワップ協定の締結のための作業を早期に完了させる。
・中国は、日系金融機関への債券業務ライセンスの付与及び中国市場参入について法令に基づき早期に進める。
・食品貿易について、日本産コメの対中輸出拡大に向け、精米工場などを追加する。東日本大震災後の日本産食品に対する輸入規制について、共同専門家グループを設立する。
・RCEPや日中韓FTAの交渉について、連携を強化する。
・第三国における日中民間経済協力について、日中ハイレベル経済対話の下、省庁横断・官民合同で議論する新たな「委員会」を設け、具体的な案件を議論していく。民間企業間の交流の場として「フォーラム」を、安倍総理の訪中の際に開催する。
・人的往来の基礎となる領事分野での協力を進める。特に、日中犯罪人引渡条約及び日中受刑者移送条約の早期締結に向けて交渉を加速する。
・東シナ海の平和と安定が日中関係改善の基礎であるとの考えのもと、東シナ海を「平和・協力・友好の海」とする。
・東シナ海資源開発に関する「2008年合意」について、その完全な堅持を確認し、その実施のための協議の再開を目指して意思疎通を一層強化する。
・日中防衛当局間の海空連絡メカニズムが、10年に及ぶ協議を経て妥結した。日中の佐官級交流も、6年ぶりに再開した。
・北朝鮮の非核化が日中共通の目標であることを確認した。国連安保理決議の完全な履行が、引き続き日中共通の立場であることも確認した。日本人の拉致問題の早期解決に向け、日中間で協力していくことでも一致した。
〔PHOTO〕gettyimages

こうして日中両国は、以下の10文書に署名した。

 
【国際約束】
・社会保障に関する日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定
・日本国政府と中華人民共和国政府との間の映画共同製作協定

【覚書】
・日本国外務省及び経済産業省と中華人民共和国発展改革委員会及び商務部との間の第三国における日中民間経済協力に関する覚書
・日本国経済産業省と中華人民共和国国家発展改革委員会とのサービス産業協力の発展に関する覚書
・日本国経済産業省と中華人民共和国商務部とのサービス貿易協力強化に関する覚書
・日本国環境省と中華人民共和国国家林業・草原局との間で行うトキ保護協力の継続実施に関する覚書
・日本国厚生労働省と中華人民共和国国家衛生健康委員会との間の衛生及び医学科学に関する協力覚書
・日本国農林水産省と中華人民共和国海関総署との日本産精米の対中輸出に関する覚書
・日本国農林水産省と中華人民共和国海関総署との日本産農産物・食品の中国向け輸出に係る放射性物質汚染問題対応のための共同専門家グループ設立に関する覚書
・日本国防衛省と中華人民共和国国防部との間の海空連絡メカニズムに関する覚書

以下、簡単にコメントしたい。