北朝鮮

米朝会談が6月12日に設定された「重大な意味」を読み解く

こんなサプライズがあるかもしれない
髙橋 洋一 プロフィール

安倍首相の同行もあり得る…?

こうなると、アメリカが要求する「北朝鮮の恒久的・検証可能・不可逆的な非核化」の実現は容易でなくなる。北朝鮮と中国が、段階的な非核化を目指す以上、ガチンコの交渉になるだろう。ただし、アメリカがイラン核合意破棄でみせたのは、外交的に成功した合意も覆すということだ。このあたりも考慮するなら、軍事オプションを背景とした力の外交交渉になるだろう。

ロジカルな可能性としては、①決裂、②合意、③交渉継続の3通りがあるが、これまでの下交渉の結果、①の可能性は低くなった。

②の場合は、北朝鮮が完全にアメリカに屈服する場合であるが、これはあり得る。アメリカはいわゆる「リビア方式」を求めているが、後ろ盾のいなかったリビアでカダフィ氏が殺害されたのとは違い、北朝鮮の場合、中国が後ろ盾なので、リビアの二の舞になることはないだろう。

 

中国は対アメリカ貿易交渉で、対米宇黒字を1年間で2000億ドルも減少させることを要求されるなど理不尽な二国間交渉を強いられているが、自国有利のために北朝鮮を売ることも考えられる。ただ、タフな交渉を考えると③の可能性も少なくない。

さて、北朝鮮問題では日本の一部の左派マスコミは、日本が「蚊帳の外」論を展開している。それがまったく的外れであることは、4月30日の本コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55516)で書いた。

北朝鮮問題を巡るプレーヤーは6カ国(韓国、北朝鮮、アメリカ、中国、日本、ロシア)である。ここで米朝の交渉となれば、アメリカは、韓国と日本を味方に引き込む。北朝鮮は中国とロシアである。アメリカは、韓国はそれほどあてにしていないので、日本が相棒になるはずだ。日本も、その立場を利用して、拉致問題という人権問題で関与を深める。

いずにしても、アメリカが軍事オプション行使も辞さない姿勢を見せることで、各国ともに本気モードになっているので、日本を蚊帳の外にするメリットはアメリカにはない。そうしたい人は、北朝鮮側の人であろう。

日本「蚊帳の外」論は、これまでの外交交渉結果で否定されているが、さらに「米朝会談直後 トランプ氏来日へ調整」(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30438010T10C18A5MM8000/)が入ってきた。これも、日本が求められていることの証左で、蚊帳の外のはずない。

米朝首脳会談で、アメリカが日本に不利な妥協をするリスクは依然としてある。出たとこ勝負の外交交渉なのでそうしたリスクはつきものであるが、習近平主席がシンガポールに行く可能性もある。そうなれば、トランプ大統領が求めれば安倍総理もシンガポールに行くような展開男あるかもしれない。

いずれにしても、6月12日の米朝首脳会談の後に日朝首脳会談もあり得る展開だ。当面、極東アジアの外交が動くときであり、目が離せない。モリカケで騒いでいる時でない。