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国際・外交

米朝会談の裏で激しくくすぶる「米中ハイテク戦争」の行方

「21世紀の覇権」を巡る仁義なき闘い

米朝会談で喧伝される「成果」

6月中旬予定の米朝首脳会談を前に北朝鮮情勢を巡る動きは想像を絶するスピードで進展している。

北朝鮮の金正恩労働党委員長は5月7~8日、妹・金与正党第一副部長、金英哲党副委員長(統一戦線部長)、李洙ヨン(ヨン=土偏に庸)党副委員長(元外相)らを伴い、ロシア製イリューシン62型専用機で空路中国の大連を訪れ、習近平国家主席と会談した。中朝連携を国内外に強くアピールするのが電撃再訪中の目的だった。

 

一方、マイク・ポンペオ米国務長官は9日未明、マシュー・ポッティンジャー大統領副補佐官兼国家安全保障会議(NSC)アジア担当上級部長、ブライアン・フック国務省政策企画部長らを伴い、ワシントン郊外のアンドリューズ空軍基地からC-32米空軍機(ボーイング757)で横田在日米空軍基地経由ピョンヤンを電撃訪問した。

ポンペオ国務長官の北朝鮮訪問は3月31日に続く2回目であり、米朝首脳会談の議題概要の最終確認、とくに朝鮮半島非核化のプロセス検証の工程表について、金正恩委員長と昼食を交えて踏み込んだ協議を行った。

[写真]北朝鮮で拘束されていた米国人を連れ帰り、トランプ大統領の出迎えを受けて笑顔を見せるポンペオ国務長官(写真奥。Photo by GettyImages)北朝鮮で拘束されていた米国人を連れ帰り、トランプ大統領の出迎えを受けて笑顔を見せるポンペオ国務長官(写真奥。Photo by GettyImages)

同長官が拘束されていた3人の韓国系米国人の解放・帰国を実現したことから、6月12日にシンガポールで行われるドナルド・トランプ大統領と金正恩委員長のトップ会談は、北朝鮮の核兵器全面廃棄を前提に、北朝鮮の核兵器不拡散条約(NPT)復帰、「朝鮮戦争終結」宣言発表、米朝代表部の相互設置、米朝国交正常化交渉開始、大陸間弾道ミサイル(ICBM)廃棄、国連安保理決議による経済制裁緩和などで合意をみて、全世界向けに「成果」を喧伝することになるはずだ。