国際・外交 北朝鮮

「北朝鮮情勢楽観論」をどうしても容認できない理由

あくまでシビアに接するべき
真壁 昭夫 プロフィール

過度な楽観は慎むべき

基本的に、北朝鮮問題の先行きは不確実と考えるべきだ。少なくとも、北朝鮮が核を放棄する用意があるなどと楽観論に浸るべきではない。

すでに文大統領の側近は、南北が平和協定を結べば、韓国に米軍が駐留し続けるのは難しくなるとの見解を米外交専門誌であるフォーリン・アフェアーズに寄稿した。それでは北朝鮮の思うつぼである。

この状況は危険だ。過度な楽観論は北朝鮮、および中国にとって都合の良い状況を作り出す恐れがある。それは避けなければならない。北朝鮮は、国際社会からの圧力を後退させ、社会情勢を立て直したい。

同時に、秘密裏に核兵器の開発を進めようともするだろう。その展開を防ぐためには、国際社会の総意として真に最終的な核放棄を求め、それを検証していかなければならない。

 

問題は、米国の政治指導力の低下だ。北朝鮮問題の解決に向けて、わが国は自力で極東地域の安定を目指すべき時を迎えている。

具体的には、アジア各国との連携を強化して北朝鮮の核放棄を、アジア社会の総意としてまとめ上げるべきだ。それを中国に伝え、過去と同様の展開が繰り返されないよう習政権のエンゲージメントを引き出すことが必要だ。

米国のトランプ政権は国際社会からの孤立感を強めている。韓国は北朝鮮の表面的な方針変更に浮かれている。言い換えれば、各国の民主主義の実力が問われている。

わが国には、現実を冷静に見定め、将来の国際社会の安定に資する議論を進めることが期待されていると考えた方がよい。政府が、世界経済のダイナミズムの源泉として期待を集めるアジア新興国と連携を強め、北朝鮮問題の解決に向けた議論を先導することを期待したい。