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医療・健康・食 ライフ

自力で減薬→病院難民→診断やり直し→方針決定までの長い道のり

私的「減薬・断薬」放浪記【2】

ノンフィクション作家の上原善広さん、実は長年に渡り心療内科に通い、大量に服薬していました。しかし一向に症状は改善せず、服薬を続けることに疑問を抱き"減薬・断薬"を決意。本連載ではその一部始終をお届けします。

*第1回はこちら
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55412

当面は自分で減薬

私は思い立ったらすぐに実行しないと気がすまないたちなので、すぐに減薬を始めたいと思った。

心療内科の病院は今まで一度も変えたことがなかったので、まずはウェブで減薬できる病院を探したのだが、ここという所がなかなか見つからない。情報量は多いが、では具体的にどこに行くかというと、なかなか判然としないのだ。

減薬を標榜する病院に、保険の利かない自費診療が多かったせいもあると思う。それまでの私は、収入が不安定なフリーランスという職にほとんど不安を覚えたことがなかったのに、このときは不安ばかりが先にたち、自費診療というものにしり込みしていたこともあると思う。保険診療の弊害と、自費診療の関係については、次回以降に詳しく触れていきたい。

とにかく頭がぼんやりしていて不安感が増していた私は、ウェブの情報の不確かさに躊躇するばかりで、ここという病院を探すことができなかった。

そこでまずはウェブや参考書から情報を集めることに専念して、とりあえず自分で減らし始めることにした。

それまで私が飲んでいたのは次のような薬で、実際にはこの中から5~8種類ほどの薬を1日に飲んでいた。

・ロヒプノール 睡眠薬 ベンゾジアゼピン(ベンゾ)系
・ハルシオン 睡眠薬 ベンゾ系
・ベルソムラ 睡眠薬
・デパス 抗不安薬 ベンゾ系
・レキソタン 抗不安薬 ベンゾ系
・デジレル 抗うつ薬
・ラミクタール 抗てんかんと双極性 気分安定薬
・リーマス 双極性 気分安定薬
・トフラニ―ル 三環系抗うつ薬(古いタイプの抗うつ薬)
・テトラミド 四環系抗うつ薬
・ピーゼットシー 抗精神薬
・ジェイゾロフト SSRI
・エビリファイ 抗精神薬
・その他

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これは心療内科に通い始めてからの6年間で処方された主なものを書き出しただけで、さらに多種の薬を処方されており、効かないと次々と代えられていた。最終的には1日で、次のような薬を飲んでいた。

・トフラニ―ル
・デパス
・ハルシオン
・ベルソムラ
・アキネトン
・ドグマチール

アキネトンはパーキンソン病に使われる薬で、アカシジア(そわそわ感)の副作用が出ていたため飲んでいた。

またドグマチールは、診断が統合失調症に変えられたため、トフラニールの代わりとして出されたものだ。統合失調をはじめ、うつ病にも効くとされる。この「ドグマチール」を処方されたところで、疑問を感じたのだ。

やめる半年ほど前から、主治医に「薬を減らしたい」、「引っ越して遠くなったので、近くの病院に転院したい」ということも言ったのだが、ほとんど相手にしてもらえなかった。主治医の言い分は「自殺未遂をしているので、薬を減らすのは慎重にならざるを得ない」というもので、それはそれなりに理屈が通っているのだが、私は薬の作用によって自殺未遂をしてしまったのではないかと疑い始めていたし、このまま薬を飲み続けると廃人になってしまう可能性が高いと思った。

 

私は主治医に恩義を感じていたこともあり、それ以上は強く言えず、仕方なく通院することをやめた。転院先も見つけられなかったため、当面は自分で減薬することにしたのだった。

まず、毒性が強いことですでに知られるようになっていたベンゾジアゼピン(ベンゾ)系の薬は残した。抗不安薬のデパス、睡眠薬として使っていたハルシオンのことだ。激しい禁断症状で知られる薬で、これだけは独力で止める自信がなかったので当面は継続することにした。その他はまだ禁断症状(離脱症状)が比較的軽めではないかと考え、自己判断で一気にやめた。

禁断症状のことを、精神科や心療内科では少しソフトな表現で「離脱症状」と呼ぶが、実際は薬を止めたことによって出ている症状なので、麻薬などの「禁断症状」と意味は同じだ。