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金融・投資・マーケット

生命保険に悩む時に知っておきたい、お金と命に関するシンプルな真実

寿命100年時代のマネーシフト⑩

前回までのマネーシフトは、主に投資について解説してきた。多くの人は、資産運用は資産運用、保険は保険と分けて考えているかもしれない。

だが、保険も金融商品の一種であり、投資と保険はひとつのカテゴリーとして包括的に検討すべき対象である。そこで今回は保険の選択について考えてみたい。

(この記事は、連載「寿命100年時代のマネーシフト」の第10回です。前回までの連載はこちらから)

 

保険は評価が難しい商品

保険には様々な商品があるが、もっとも一般的なのは生命保険(死亡保険ともいう)だろう。生命保険にはたいていの場合、医療保険の特約が付いているほか、貯蓄性を兼ね備えた商品も多い。

しかしながら、保険が様々な顔を持っているということは、利用者から見ればそれだけ評価が難しいということでもある。これは保険に限った話ではないが、投資や金融の世界において、複雑で多機能なことは、基本的に良くないことだと思ってよい。

資産運用の世界では、為替やオプションなどを組み合わせた、いわゆる仕組み債と呼ばれる商品が、投資の初心者向けに売られていたりする。

しかしながら、どんなに複雑な仕組みにしたところで、根本的にリスクを減らせるわけではなく、個別商品が持つリスクの組み合わせで最終的なリスクは決まってしまう。むしろ、商品が複雑な分だけ、リスクの計算が面倒になるだけだ。

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保険についても、これとまったく同じことがいえる。

生命保険は生命保険であり、医療保険は医療保険、運用は運用なので、複数の商品を組み合わせたところで、何かが変わるわけではない。

保険会社のセールストークとしては、「病気も保障してくれますよ」「貯蓄にもなりますよ」といったところになるのだろう。しかし、商品の有利不利を比較するためには単独の商品に分解して評価する以外に方法はなく、多機能な分だけ評価は面倒になる。

具体的な商品選択の前段階として、保険はできるだけシンプルなものを選び、かつ優先順位を付けて加入することを心がけた方がよい。

本連載を読んでいる方は、投資について何らかの興味を持っているはずなので、そうであれば、運用性の高い保険商品をわざわざ選ぶ必要性は薄いだろう。運用は株式など別な手段で行えばよいというのがその理由である。

保険については、保険本来の目的である人生のリスクヘッジという部分に特化して商品を選択すべきである。