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京都人と名古屋人、ガチンコで口論したらこうなった

実は似た者同士…?
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名古屋人の気質は「侍」

たしかに名古屋人を語る上で外せないのが、その「セコさ」だ。

名古屋では、店先にある「開店祝い」の花を抜いて持ち帰るのが常識。

「名古屋のビジネスには『三段値引き』という習慣があります。見積もりで値切り、納品で値切り、おまけをつけさせる。しかも振り込み手数料まで相手側に負担させます。かつて東海銀行のATMには、手数料を相手負担にするボタンがあったほど」(前出・川合氏)

名古屋人はとにかくおカネに厳しい。総務省の家計調査によると1世帯の貯蓄額は約2170万円で全国トップクラス。

京都市出身で名古屋に4年間在住していた「イエローハット」代表取締役社長の堀江康生氏は、自身の経験を振り返る。

「名古屋は『割り勘』が当たり前でした。複数で喫茶店へ行って、そのうちの一人が先に出る時は、テーブルの上に自分のコーヒー代を置いて『そいじゃね』と去っていく。

京都ではおカネのことはあまり細かく言わないので最初は戸惑いました。でも考えてみれば割り勘なら変な気遣いもいりませんからね」

 

合理的と言えば合理的だが、単なるケチとも言えなくはない。それについて河村たかし名古屋市長はこう反論する。

「やっぱり織田信長、豊臣秀吉、徳川家康という三英傑を生み出した土地でしょう。

だから名古屋人は『侍』なんですよ。大阪は商人の街だけえ、人付き合いが盛んで、京都は貴族だもんで華やか。侍はしゃべらんでしょう。家でじっとしている。だから名古屋人は質素で倹約家。セコいのとは全然違う。質実剛健ちゅうわけですよ」

そんな侍の名古屋人でもおカネをかけるシーンがある。冠婚葬祭だ。

「名古屋の結婚式は日本一、引き出物が大きくて重たいと言われます。引き出物は名古屋の食器『ノリタケ』が定番。名古屋人はふだんはケチですが、冠婚葬祭など親戚が集まるときにはカネを遣います。

他県に出ず地元に残るため、親戚のつながりも強くなる。その分、世間体や身内の評価を非常に気にするのです」(前出・川合氏)

また、あんかけスパのみならず名古屋の食文化はあまりに独創的だ。「一安二量三味」。安いことが一番大切で次に量、最後に味というこだわりである。

「名古屋メシ」に代表されるのが、味噌カツ、味噌煮込みうどん、ひつまぶし、天むす、トンテキ、台湾ラーメン……。喫茶店のモーニングも有名で、コーヒーにトーストやゆで卵が無料でつく豪華っぷり。しかも午後3時まで頼むことができる。

「そやけど、天むすもトンテキも三重県が発祥やし、モーニングも豊橋や広島から始まってる。名古屋メシいうても結局はパクリやろ」(京都人)

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そんな大人げないツッコミに名古屋人は「何を言うとるんだか。名古屋が全国的に広めてやったんだがや」とまったく聞く耳を持たない。それどころか、

「あんな薄い味でガマンして、たわけみてぇや(バカじゃないの)」とカウンターを浴びせる。

薄味を好む京都人とは正反対に、名古屋人はとにかく濃い味が好きなのだ。京都市出身の前出・堀江氏は「最初は味の濃さに慣れるまで大変だった」と苦笑する。

「でもそれだけ赤味噌が好きなのに、正月の雑煮はおすましって、わけわかりませんわ」(京都人)

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