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女性

女性の本当の敵は、実は「名誉男性」かもしれない

あなたの周りにもいませんか
世界経済フォーラム(WEF)が発表した『男女平等ランキング2017(The Global Gender Gap Report)』で、日本は調査対象144ヵ国中、114位。政府は、「女性が輝く社会を目指す」とご託を並べているが、このランキングが発表されるたびに、日本が順位を落としているのが現状である。この状況が改善しない理由のひとつに、ある女性たちの存在があるのではないか、と20年以上、企業で働き、管理職まで勤めた作家・こかじさらさんは指摘する。

女性が不利になる社会を目指すオヤジのアイドル

「佐川氏の証人喚問での丸川珠代、総理へのアピール半端じゃなかったよね」

「最後には、総理のご意向に沿ってお役目を果たしましたってドヤ顔だったし」

仕事帰りの新橋で、アラフォー&アラフィフの女性たちとジョッキを傾けながら深夜まで盛り上がった。

 

「小池百合子が都知事選に出たときは、好き嫌いはさておき、応援しようと思ったんだけど。丸川珠代と稲田朋美は、どうしても応援する気にはなれないんだよね。二人とも女性活躍の象徴みたいな形で大臣になったっていうのにさ」

「でも、それは仕方ないよ。丸川珠代と稲田朋美は『名誉男性』なんだから」

丸川珠代議員は、2007年より自由民主党女性局長を勤めている(photo by gettyimages)

名誉男性! 

なるほど、そういうことか。耳慣れない言葉だったが、ストンと胸に落ちた。

小林よしのり氏は、「小林よしのりオフィシャルWebサイト」(2016.10.02)で
「名誉男性の心理を探る」と題して、以下のように述べている。

<女性なのに、男尊女卑の「男系原理主義者」になっている女を「名誉男性」と言う。稲田朋美や櫻井よしこも、「名誉男性」として、自称保守の懐古趣味オヤジのアイドルになってご満悦である。

「名誉男性」は基本的に懐古趣味オヤジの世間で育っている。その世間が「名誉男性」を作り上げるのだ。なんで女性なのに、女性に不利になる社会を目指すオヤジのアイドルになりたがるのだろう?(一部抜粋)>

「女性の敵は、女性」ではなく、「女性の敵は、名誉男性」ということか。

未だ男性優位の日本社会で働く女性たちは、培ってきた感性と経験を頼りに「名誉男性」を嗅ぎ分け、丸川珠代や稲田朋美に違和感を抱いていたのだと、合点がいった。

「名誉男性」と聞き、かつて、アパルトヘイト下の南アフリカ共和国で使われていた「名誉白人」という言葉を思い出す人も少なくないだろう。

白人を優位とする制度に於いて、黄色人種などの有色人種は差別の対象となっていた。しかし、日本は重要な貿易相手国であり、経済支援をおこなっていたことから、黄色人種でありながら白人と同等に扱うとされ、「名誉白人」と呼ばれていたのだ。

「名誉」とは、こういう状況で使う言葉なのだろうか……。「名誉白人」という言葉に違和感を覚え、もどかしくもやり切れない気がしたのをよく覚えている。

しかし、一方で、「名誉白人」という称号に疑問を持たず、日本人の地位が南アの白人社会で向上していると喜び、白人側に立って、ほかの国の有色人種に対して差別的な言動を取っていた人も少なくなかったと聞く。

女性が輝く社会。女性管理職の割合を増やす。女性国会議員数を増やすなどの旗印の下、防衛大臣に就任した稲田氏だったが、女性活躍の先駆けとも言える稲田氏に女性たちが共感できないのは、なぜなのか……。それは、

「女性の割合を上げるために能力が劣っても登用するなどというのはクレージー以外の何ものでもない」

「保育所増設の政策などを見ていると、『本当に母乳を飲んでいる赤ちゃんを預けてまで働きたいと思っているのか』疑問に思う」

など、懐古趣味のオヤジ側に立って、女性に不利な社会を推進しているとしか思えない趣旨の発言を過去にしていたからだ。

世の女性たちが稲田氏に違和感を覚えるのは、彼女が女性の代表として女性の思いを代弁してくれる存在だとは思えないからで。「名誉男性」と言われる彼女が活躍しても、女性の地位向上にはつながらないのだから、女性たちが応援したいと思えないのも当然だろう。