起業

DeNAであり得ない損失を出した新人OLが起業家になるまで

時には逃げるも恥じゃない
田舎出身、女子大卒、貯金なし。新卒で入ったDeNAで減給処分を受けたダメOLは、なぜ起業して1年でM&Aを成功させ、3億円で株式譲渡することができたのか? いま注目の若手女性起業家、成井五久実氏の著書『ダメOLの私が起業して1年で3億円手に入れた方法』から、同社でも伝説になっている(?)「ヒカリエから飛び降りろ!」事件を紹介します。

キラキラ女子、世間の荒波を知る

失敗はゴムパッチン

「謝って済むか! ヒカリエから飛び降りろ!」

会社に大損失を与えた私に浴びせられたのは、部長のこの一言。オフィスがあるヒカリエから飛び降りろ、と言われたのです。

もちろん冗談ですが、この時は本当に生きた心地がしませんでした。私はそれだけのことをしでかしてしまったのです。

 

忘れもしない入社2年目の冬のこと。

念願のモバゲー営業部に異動することができた私は、ある大手企業とのタイアップ広告で、1億円近い大型受注を取ってきました。そ の結果に上司も大喜びでした。

しかし、私が提出した想定される効果の試算にミスがあり、結果が大きく乖離してしまったのです。

メルマガの新規登録件数5000件という試算を出したのですが、あろうことかその桁を一つ間違えていたのです。実際の結果は10分の1という惨憺たるもので、会社に2000万円相当の補塡を出させてしまいました。

部署期待の大型受注だった案件が一変、前代未聞の大失態に。そんな私に待っていた のは、やはり前代未聞の処分。新卒入社社員初の減給処分となったのです。

実は、起業という夢を叶えるため、モバゲー営業部の次は新規事業推進室に行きたい という目標があったのですが、その機会は訪れないだろうと思いました。

一度マイナス評価がついてしまうと、そこから這いあがるのは容易ではないからです。30歳までに起業したいのに、今の状況ではマイナスをゼロにするだけで20代を使い切ってしまう。絶望にも似た焦りが、私を追い詰めていきました。

「成井、失敗はゴムパッチンなんや」

相手企業への謝罪訪問の帰り、「ヒカリエから飛び降りろ!」と怒鳴った部長がこん なことを言いました。

たとえ失敗しても、いつかそれは成功になって返ってくる。ゴムパッチンのように、その失敗が大きければ大きいほど、返ってくる成功も大きい。

失敗しないのは勝負をしていない人。そういう人は大きな成果は残せない。成井は1億の受注を取りにいく、という大勝負をしたんだ。部長はそんなことを言ってくれたのです。

どん底にいた私は、この言葉に心底救われました。

失敗しても、取り返せばいい。失敗と成功は紙一重なんだ。逆転の発想ができたこの 日のことは、今でも忘れられません。

実際に、この大勝負をした経験は、数年後に3億円になって返ってきました。

起業後、株式譲渡という選択ができたのも、この時に1億の受注を取りに行くという勝負をしていたからこそだと思っています。

その後も失敗を取り返すべく、仕事に打ち込んでいた私でしたが、入社3年目を迎えた頃、ある決断をします。

それは〝逃げる〞こと。