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日本をじわじわ蝕んでいる「静かなる有事」に気づいてますか

2043年、ついにこの国は…
発売1年も経たずして、45万部を超える大ベストセラーとなった『未来の年表』。その著者でジャーナリストの河合雅司氏が、いよいよその続編『未来の年表2』を刊行する。今回のウリは、人口減少で起きることを年代順に追った「人口減少カレンダー」ではなく、あなたの身の回りで起きることを一覧にした「人口減少カタログ」だ。発売に先立って、『未来の年表2』の一部を特別に先行公開する。

街は高齢者だらけ

日本が少子高齢社会にあることは、誰もが知る「常識」である。だが、自分の身の回りでこれから起きることをわかっている日本人は、いったいどれくらいいるだろうか?

日本は劇的に変わっていく。例えば、25年後の2043年の社会を覗いてみよう。

年間出生数は現在の4分の3の71万7000人に減る。すでに出生届ゼロという自治体が誕生しているが、地域によっては小中学校がすべて廃校となり、災害時の避難所設営に困るところが出始める。

20〜64歳の働き手世代は、2015年から1818万8000人も減る。社員を集められないことによる廃業が相次ぎ、ベテラン社員ばかりとなった企業ではマンネリ続きで、新たなヒット商品がなかなか生まれない。

高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)は36・4%にまで進む。高齢者の数が増えるのもさることながら、80代以上の「高齢化した高齢者」で、しかも「独り暮らし」という人が多数を占める。

こうした高齢者が街中に溢れる社会とは、一体どんな様子だろうか?

 

いま、東京や大阪といった大都会では、ラッシュアワーには5分と待たずに電車やバスがやってくる。なぜ、そんな過密ダイヤで運行できるのかといえば、乗客の大多数が人の流れについていける「若い世代」だからだ。

たまに、杖をついた高齢者が、駅員の手を借りて乗降する場面に出くわす。ただ、それはあくまで少数派であり、駅員の手際よい作業でそんなに多くの待ち時間を要するわけではない。

しかし、2043年とは、総人口の7人に1人が80歳以上という社会だ。独り暮らしであるがゆえに否応なしに外出する機会は増えるが、若い世代の「流れ」についていける人ばかりではない。こんな過密ダイヤはとても続けられない。

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80代ともなれば、動作は緩慢になり、判断力も鈍る人が増える。こうした高齢者が一度に電車やバスを利用するのだから、駅員は乗降のサポートに追われ、ダイヤ乱れなど日常茶飯事となるのだ。

新幹線や飛行機だって同じだ。現在でも空港の保安検査場に長い列ができているが、機内への移動も含め、スムーズな移動は年々期待できなくなる──。

ダチョウの平和

残念ながら、皆さんが生きている間は、人口減少や少子高齢化が止まらない。過去の少子化の影響で、今後は子供を産むことのできる若い女性が激減していくためだ。

人口減少のスピードは凄まじい。国立社会保障・人口問題研究所(以下、社人研)の推計によれば、2015年の国勢調査で約1億2700万人を数えた総人口は、わずか40年後には9000万人を下回り、100年も経たずして5000万人ほどに減少する。

われわれは、極めて〝特異な時代〟を生きているのである。