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サッカー

サッカー西野ジャパンに圧倒的に必要なのは「休息」だ

怖いのは疲労が溜まること

超過密スケジュール

いかにして6月に開幕するロシアワールドカップに、トップコンディションに持っていくことができるか。

戦術やチームワークもさることながら、コンディションのコーディネートもまた重要になってくる。

追い込む“ムチ”が大事なら、休ませる“アメ”も大事になる。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の電撃解任を受けて就任した西野朗新監督は、大会に入る前にオフを与える意向を示している。

「4、5月における国内組のマッチスケジュールを見ると、ルヴァンカップを含めて相当な数の試合になる。いい形でリフレッシュしたうえでキャンプに入ってきてもらいたい」

今年のJリーグはワールドカップの影響を受けて、超がつくほどの過密日程にある。ほとんどのクラブが15連戦。アジアへの移動が伴う川崎フロンターレ、鹿島アントラーズなどACL(アジアチャンピオンズリーグ)出場組はさらにハードで、疲労が蓄積された状態で本大会に入っていくことになる。これは是が非でも避けたい。

5月19、20日にJリーグが中断し、ハリルホジッチ前監督は翌21日から国内合宿をスタートさせる予定だったという。30日に壮行試合のガーナ戦をこなし、翌31日に本大会のメンバーが発表される流れ。オフなしで代表合宿に入ってしまえば、今度は23人に残る最後のメンバー争いが待ち受けるのだから“勤続疲労”のリスクが高まってくる。

西野体制になってもこの流れは基本的に変わらないものの、「21日からの合宿」を取りやめて3日間のオフを与える方針を固めているという。良い判断だと思う。

海外組も1シーズンを戦い終え、心身の疲労は気になるところ。そのあたりも西野監督は頭に入れているはずで、まずはリフレッシュを優先させるに違いない。

これはベスト16に躍進した2010年の南アフリカワールドカップを参考にしているものと思われる。

 

当時の状況を簡単に説明しておきたい。ワールドカップイヤーのJリーグは3月開幕の過密日程で、なおかつ日本代表はアジアカップ予選や東アジア選手権など詰まっていた。

そのスタートとなったのが1月6日に行われたアジアカップ予選、アウェーのイエメン戦。岡田武史監督はメンバーのオフを優先させ、U-20代表とJリーグで活躍するA代表経験のない若手をミックスした編成でイエメンに向かった。リフレッシュを重視する監督だからこその発想だった。5月に本大会メンバー23人を発表後、壮行試合の韓国戦を前に4、5日間のオフを与えたことはちょっとしたサプライズでもあった。

集合したのは韓国戦の3日前。逆に韓国代表はKリーグの日程がJリーグほど詰まっておらず、なおかつ日本戦の1週間前にはエクアドル代表と親善試合を行っている。当然、コンディション状態が良いのは韓国のほう。試合は0-2と完敗に終わり、岡田監督へのバッシングが高まった。

批判は承知のうえで指揮官はこう語っていた。

「休ませないことには本大会で体が持たなくなる。休ませるというのは怖いんだけど、それでも休みを優先させたい」

本大会を見据えた勇気ある決断は当たった。リフレッシュの“アメ”なくして、トップコンディションは生まれなかった。