AI 週刊現代

これから給料が「下がる仕事」「上がる仕事」全210職種を公開

真っ先に仕事消滅が始まるのは…?
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生保営業、SEが大ピンチ

そんな医療界と同じようにAIの猛威に晒されているのが金融業界だ。

すでに「仕事消滅」という想像もしたくない事態が起き始めていて、みずほFGではAIなどのIT技術を活用することで、全従業員の3割ほどにあたる1万9000人分の業務量を減らすことを決定。

今後は3メガバンク合計で3万人分の業務量が減らされるとの試算もあり、当然、その分、バンカーの仕事がなくなることになる。

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まさに銀行員受難の時代だが、次は保険業界がそのターゲット。業界全体に悲鳴が鳴り響くことになる。

「金融とIT技術を組み合わせたフィンテックは全世界で猛烈な勢いで発展していて、中国では必要なデータを入力するだけでAIが審査をして、数分で融資可能額が振り込まれるサービスがすでに始まっています。

保険業界にも間もなくそうしたフィンテックの波が押し寄せて、スマホなどで年齢、ライフプラン、貯蓄額などを入力すれば、AIがその人に最適な保険を提示してくれるようになる。

これまでは各社の生保営業が薦めてきた保険に入ったり、保険ショップファイナンシャルプランナー(FP)の提案するものを契約していたのが、それがAIに取って代わられるようになるわけです。いまは保険の審査業務も人力ですが、これもAIで代替される」(前出・中原氏)

当然、損保営業でも同じことが起こるのだ。

そんなフィンテックの猛威は凄まじく、海外ではすでに税理士の仕事が「なくなった」という国も出てきているから驚きである。

「行政サービスの99%がオンライン化しているエストニアでは、政府のデータベースに国民の銀行口座が紐づいている。そのため、AIが自動的にその口座履歴から納税額を計算できるようになって、税理士の仕事がすでになくなりました。

納税者はパソコンのボタン一つで納税額が計算でき、もう一度ボタンを押せばその金額を納税できるという具合です。

日本でもマイナンバーを起点にした電子政府化が進めば、将来的には税理士という職業自体がなくなるでしょう」(前出・成毛氏)

なにより数字の計算や分析はAIの能力が発揮されるところで、大手監査法人のエリート公認会計士が見抜けなかった東芝の不正会計問題にしても、「AI会計士」であれば完全に見抜けたといわれている。

 

そもそも「士師業」というのは、潜在的にAIに仕事を奪われやすい職種なのだという。

「税理士、会計士から司法書士、社会保険労務士などの士師業は、高度な専門スキルが必要とされている職業ですが、じつはAIが最も得意とする分野です。

いずれも資格試験に合格する必要がある仕事だというのがポイント。その資格に必要なルールと知識さえ覚えてしまえばできるタスクが多いので、AIにとっては将棋や囲碁に勝てるのと同じ理屈でできてしまうわけです。

すでにアメリカではAIによって、法廷書類を作成する弁護士助手の仕事が急速に奪われています。将来の役に立つとして資格試験の勉強を猛烈にしている学生がいますが、あまりお勧めしません」(前出・井上氏)

最近では喰いっぱぐれる心配がないとして、子供が幼少期からシステムエンジニア(SE)やプログラマーなどIT資格の勉強をさせる親も多いが、これも無駄……。

「AIが深層学習(ディープラーニング)する能力を備えるようになったことで、人間のSEがわざわざシステムを作らなくても、AIが自動的にシステム構築できるようになりました。

皮肉な話ですが、IT業界のエンジニアたちが生み出したAIによって、みずからの仕事が奪われることになっているわけです。世界中からエンジニア業務を受注して稼いできたインドなどの新興国は、経済全体への打撃も避けられません」『仕事消滅』著者で経営コンサルタントの鈴木貴博氏)

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