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「ザッカーバーグ証言」から、いま日本が学ぶべきこと

世界的な潮流に乗り遅れないためにも

ついにザッカーバーグが認めた

利用者から集めた個人情報をターゲット広告に使うことで急成長してきたIT業界の巨大プラットフォーマーたちの「我が世の春」が、終わりを迎えようとしている。それを浮き彫りにしたのは、米連邦議会が先週火、水曜の両日(4月10日と同11日)に開いた公聴会だ。

個人情報の不正流用やフェイクニュース放置によって大統領選挙に影響を与えた責任を問われている、フェイスブック社のマーク・ザッカーバーグCEO(経営最高責任者)が証言に臨み、「人々の生活にとってネットの重要性は増している。何らかの規制は避けられない」と白旗を掲げたのである。

アメリカでは、今後の焦点が具体的な規制策作りに移った。この分野をリードしているEU(欧州連合)が5月から施行する「一般データ保護規則(GDPR)」がモデルのひとつとされ、個人情報をターゲット広告に使っているプラットフォーマーを対象に、①利用規約などでの収集するデータやそれらの第3者への提供に関する十分な説明、②情報流出の原因になった利用者検索機能のセキュリティー強化――などを義務付ける可能性が高まっている。

 

こうした世界的な動きに関連して、日本が講ずべき施策は、プラットフォーマーに対する規制の強化だけではない。もう一つ、安倍総理が中心になって「ネットは自由」という時代錯誤の認識を前提に、ネットと放送の垣根を無くす放送制度の見直し推し進めようとしていることの軌道修正も急務だ。

我々にとって、個人情報保護の確立はもちろん、新聞や雑誌と共に民主主義を支えてきた伝統メディアの放送と、伝統的メディアに勝るとも劣らないメディアへと成長を遂げたネットの二つを、社会的なコンセンサス作りの両輪として機能させる制度の整備も喫緊の課題なのである。

ザッカーバーグ証言のポイント

2日間にわたったザッカーバーグCEOの証言をポイントごとに整理してみよう。

まずは、大きな問題を引き起こしたことへの反省の弁だ。新聞などの報道によると、10日の上院司法委員会と商業科学運輸委員会の合同公聴会の冒頭で、ザッカーバーグ氏は事前に用意した声明を読み上げた。

「人々の生活にとってネットの重要性は増している。何らかの規制は避けられない」「委員会のみなさんが厳しい質問を持っておられるのは当然のこと」「プライバシーを十分に防衛してこなかったことを認めます。これは私の過ちです」などと謝罪したうえで、「時間がかかっても改善することを約束する」と宣言した。

弁護士やコンサルタントを交えた準備のお蔭かもしれないし、フェイスブックに氾濫したフェイクニュースが2016年の米大統領選の結果に影響を及ぼしたとの指摘を「ばかげている」と一蹴し、大きな批判を浴びたことへの反省があるのかもしれない。

冒頭の声明では、大学在学中に交流サイト(SNS)を立ち上げ、13年間で月間利用者数が世界で20億人に達するプラットフォーマーにのし上がった、怖いもの知らずの若手経営者の傲慢ととられかねない側面は影をひそめ、大企業の経営者としての社会的責任を自覚したかのような謙虚な態度をみせた。

ただ、質疑には周到な準備をしており、余裕たっぷりの表情を見せる場面もあった。商業科学運輸委員会のスーン委員長が「開始から2時間ほどたったので休憩したい」と述べたところ、ザッカーバーグ氏が笑みを浮かべて余裕たっぷりに「あと15分くらい大丈夫だ」と続行を促したというのだ。

実際の質疑における争点の一つは、フェイスブックを使って行ったアンケート調査で得た8700万人分の個人データを不正に取得したイギリスのデータ分析会社ケンブリッジ・アナリティカ社への個人情報漏えい問題だ。

再発予防策に関する問いに、ザッカーバーグ氏は「ケンブリッジ・アナリティカの監視で満足な結果が得られなかった場合、訴訟を起こす考えがある。アメリカ、イギリスの当局と協力して、データが完全に削除をされるか確認する」と回答した。

さらに、「外部ソフト開発会社が簡単にユーザーデータを得られないよう、規約やソフトの仕様を改定した」「現在1万5千人いるセキュリティーとコンテンツ改善の要員を、2万人以上に増やした」と、フェイスブック社自身が対策を講じたことを強調した。

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