週刊現代 北朝鮮

朝鮮労働党幹部が激白「拉致被害者は返せない。なぜなら……」

訪朝を画策する安倍総理へのメッセージ
近藤 大介 プロフィール

米朝会談は中止もある

――金正恩外交が始動した。3月26日と27日、金委員長は北京を訪問し、習近平主席と初めての中朝首脳会談を実現させた。

それまで5年あまりにわたって、両国は険悪な関係にあり、中国は北朝鮮に強力な経済制裁を科していた。そんな中で、金委員長の訪中は、どのように決まったのか?

「すべては、平昌冬季オリンピックがカギとなった。今年元旦の国民向け『新年賀詞』で、元帥様が、平昌オリンピックに参加する意向を示された。

それから南朝鮮との話し合いを本格化させ、2月9日の開会式には、金与正党第一副部長(金委員長の妹)と金永南最高人民会議常任委員長が参加。同月25日の閉会式には、金英哲党副委員長兼統一戦線部長が参加した。

女子アイスホッケーの北南合同チームも実現した。まさに、北南の統一と平和をテーマにした『平和の祭典』にふさわしいイベントとなったのだ。

そしてこの成功を機に、北南首脳会談(4月27日に板門店で開催予定)を決め、元帥様の初の外国訪問となる訪中も決めたというわけだ。

中国とは、たしかに過去にはいろいろあったが、今後米トランプ政権とのハードな交渉が待ち受けていることもあり、関係を修復していく時期に来ている。

習近平主席からも、『(3月20日に)全国人民代表大会(国会)が終わって2期目の政権を発足させたら、一番に北京に来ませんか』と誘ってもらった」

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――中国はかねてから、朝鮮半島の非核化を実現させるという方針を示してきた。
これに対し北朝鮮は、「すでに核保有国である」と主張。核兵器をめぐる中国側との矛盾は解決できたのか?

「それは、3月26日夕刻に開かれた朝中首脳会談で、元帥様が発言された通りだ。

『金日成主席と金正日総書記の遺訓に照らし、半島の非核化実現に力を尽くすことは、われわれの終始一貫した変わらぬ立場だ。

もしも南朝鮮とアメリカが、われわれの努力に善意をもって応えるならば、平和と安定の雰囲気を醸成し、平和の実現のために段階的かつ同時並行的な措置を取る。朝鮮半島の非核化問題は、解決に至ることができるものだ』

つまり、核問題の解決は、南朝鮮とアメリカの出方次第ということだ。特に、トランプ政権がどう出るかにかかっている。わが国の立場には、習近平主席も理解を示した」

――トランプ大統領は、「完全で不可逆的で検証可能な非核化」を強く求めている。金正恩委員長は、5月にトランプ大統領と米朝首脳会談を行って、そのことを約束できるのか?

「それは、元帥様が仰っているように、『段階的かつ同時並行的な措置を取る』ということだ。つまり、アメリカとの交渉は、あくまでも『行動対行動』が原則だ。

われわれが求めているのは、アメリカとの平和協定の締結であり、北南の同胞が主体となった朝鮮半島の統一だ。1953年に結んだ朝鮮戦争の休戦協定を、トランプ政権が平和協定に変える意思があるのかということが問われているのだ」

 

――トランプ政権で外交を担っていたティラーソン国務長官が、3月いっぱいで解任された。ティラーソン国務長官は、北朝鮮に対する穏健派の代表格だったが、後任のポンペオCIA(中央情報局)長官は、強硬派で知られる。

また、ホワイトハウスの大統領安保担当補佐官にも、超強硬派のボルトン元国連大使が就任。こうしたトランプ政権の新たな布陣については、どう考えているか?

「当然ながら、大きな懸念を抱いている。これはまさに、トランプ大統領が、われわれと対話する姿勢ではなく、対決する姿勢を示したものだ。そのため、トランプ政権に対する疑念が払拭されることはない。

そもそもトランプ大統領は、5月にわが元帥様と首脳会談を行うと宣言しておきながら、いまだにまったく準備不足だ。わが国を軽視しているとしか思えない。

そうした点は、(4月27日の)文在寅大統領との北南首脳会談の際に、元帥様がしっかり注文をつけることになるだろう。それでも疑念が払拭できなければ、元帥様がトランプ大統領と会う理由はない。

そもそも、トランプ大統領が突然、元帥様と会談すると言い出したのは、11月の中間選挙での人気取りのためだろう。それならば、11月までに開催すればよいのではないか?」

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