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米中経済戦争で「笑いが止まらない会社」「泣くほどつらい会社」

もし起こったら、こんな影響が

トランプと習近平。2人が罵り合うたび、口角から出た唾の飛沫がニッポンに飛んでくる――。うちの会社にはじつは恩恵が?おたくの社長は泣きだしそう?有名企業それぞれの「わが社への影響」。

報復合戦はここからが本番

胸倉を掴み合って、互いに一歩も引かないその様は、まさに「大人の本気の喧嘩」の様相を呈してきた――。

4月3日、アメリカ政府が従前から宣告していた対中貿易制裁の「具体策」を発表すると、市場関係者のあいだに動揺が走った。発表された対中制裁の中身は総額500億ドル(約5兆円)と巨額。

しかも、その制裁対象は1300品目にもおよぶうえ、航空宇宙、情報通信、産業ロボットなど中国の主要ハイテク産業をモロに狙い撃ちにしたものだった。

トランプ大統領は中国と本気で貿易戦争をするつもりはなくて、習近平国家主席とは水面下で握っている――一時はそうした噂も広がっていたが、そんな楽観論を一気に吹き飛ばすような「強硬策」に打って出た形である。

「さっそく中国商務省も談話を発表して、『強く糾弾する』『米国製品に同規模の報復を行う』と牽制するなど、徹底抗戦の構えを示しています。

中国側はアメリカの大豆、自動車などに報復関税をかけることを決めたが、大量購入を決めている米ボーイング機をキャンセルするとの話も浮上しています。

さらに、中国政府が大量保有する米国債を売却する可能性もあり、両国の対立は予断を許さなくなってきた」(シグマ・キャピタルでチーフエコノミストを務める田代秀敏氏)

まさに米中経済戦争が幕開けしたわけだが、これは日本にとって「他人事」ではない。

米中対立が一気に表面化し始めた3月、世界の株式市場で株価下落率がもっとも大きかったのは震源地のアメリカと中国……ではなく、われらが日本株市場であったことをご存じだろうか。

「じつはリーマン・ショックのときも同じように、危機の震源地よりも日本の株式市場の下落率が大きかったんです。

近年はとくにグローバル展開する日本企業が増加したことで、日本株市場は世界経済の変化の影響を受けやすい。それも世界経済が危機的状況になるほど直撃をくらってしまう」(絆アセットマネジメント社長の小沼正則氏)

 

米中経済戦争が大きく火を噴いた3月23日の週の世界の株式マーケットを見ても、日本株の下落率は約4.9%で、当事国である中国株式市場の下落率(約3.6%)を大きく上回った。

アメリカと中国のガチンコバトルは対岸の火事ではなく、日本経済を大きく揺るがす一大事と化しているわけだ。

すでにわれわれの生活にも影響が出始めていることにお気づきだろうか。

「豚肉や大豆の価格が下がり始めているんです。中国がアメリカから輸入している豚肉について追加関税措置を講じる方針で、マーケットでは商品のだぶつきが嫌気されて豚肉価格が急落している。大豆も中国がアメリカから輸入制限する可能性があり、価格下落が始まっています。

これらは短期的には日本人の家計にメリットになるものですが、一方、大豆などの商品市況が悪化すると、ブラジルなどの新興国経済が悪化するのは必至。そうなれば世界経済の混乱が加速し、ふたたび日本株を大きく押し下げる圧力となりかねない」(前出・小沼氏)