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母が自殺…天涯孤独の男子生徒を教師全員で支えた、とある学校の物語

県立「再チャレンジ高校」の物語——①
「苦しい生徒を支えていく。オレたち教師が全力で。」——困難な事情を抱える生徒たちを支援する実在の高校を約4年にわたって取材した、ノンフィクション作家・黒川祥子氏による『県立! 再チャレンジ高校 生徒が人生をやり直せる学校』。様々な課題に直面しながら、生徒たちを自立に導くため模索を続ける教職員たち。その奮闘の一端をご紹介する。

はじめに——「再チャレンジスクール」始動

貧困、生活保護、虐待、ひとり親──生きることさえままならない、多くの課題を抱えた子どもたち。

そんな子どもたちに、居場所と希望を与える学校がある。

某県に実在する県立槙尾高等学校(仮名)は、県の教育委員会の方針により、地域の「さまざまな問題を抱えた」生徒たちの受け皿としての役割を担うこととなった。

かつてはいわゆる「底辺校」「課題集中校」「教育困難校」と呼ばれていた高校で、教職員たちが文字どおり全力で、身体を張って、命を懸けて生徒たちを懸命に支え続ける。

それはもちろん綺麗事ではない。時には深刻な葛藤や軋轢、時には暴力沙汰も引き起こす。

様々な困難を抱える生徒たちに、どうすれば夢と希望を与え、生活と学習を支援し、卒業後の人生を形作ることができるのか。

本記事では、突然の自殺により母を亡くした男子生徒と、天涯孤独の身となった彼を卒業まで一体となって支え続ける、教師たちの取り組みの一部を紹介する。

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