学校・教育 教師

32校で教壇に立ったから分かる「本当によい先生」の見分け方

じつは「宿題を出す先生」こそ要注意
須貝 誠 プロフィール

ミニ定規を使わせる先生の思惑

小学生を見ていると、筆算で書く=の横の線が曲がる、斜めになる、右上がりになってくる、という子が多い。

右上がりになるにつれて数字も小さくなる。斜めになった数字を見て、たし算するから、位がそろわずに正しい答えを出せない。文字の大きさはそのままでも、斜めになってしまう子もいる。

教える側としては、どうすべきか? 答えは明快。定規を使用させるべきだ。

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こういうと、反論も出る。「定規を使わせると計算のスピードが遅くなる。ミニ定規を使わせるな」だ。スピードも大切かもしれないが、正確さを優先すべきだ。速く計算できても、間違っていたら意味がない。

ミニ定規を使うことは、有名な進学校、慶應義塾などでは当たり前と聞く。慣れると、ほとんどの子が、ミニ定規を上手に使いこなす。+、-、=のような記号までミニ定規で書くようになる。一見、遅くなりそうだが、ミニ定規を縦にして短い部分で線を引くから、遅くはならない。

私は、市販のミニ定規を、担任した子どもの人数分だけ購入した。1本のミニ定規をはさみで何本かに分ける。正方形のように小さくなったミニ定規を配った。+、-などの記号もすぐに書ける。

ミニ定規を使うと筆算のとき、位もそろうようになる。計算ミスも減る。ミニ定規を使わせる先生が、よい先生だ。

 

宿題を出す先生に安心してはいけない

保護者(懇談会)、個人面談、家庭訪問などで、よく聞く保護者の声がある。

「先生、うちの子、宿題がないと勉強しないんです!宿題出して下さい!」だ。宿題を出してほしいと願う保護者は多い。保護者からすると宿題を出してもらう。わが子が勉強している姿を見る。安心だろう。     

しかし、宿題を出すと、朝、教室の先生の机の上には、子どものノートが山のように積まれる。漢字ノート、計算ドリルノート、昨日の授業でやり残した問題を書いたノート、プリント、日記など……。

日記を子どもに毎日、書かせている先生は大変だ。その日のうちに日記を子どもに返さなければいけない。他の教科のノートも見る。昔の私も実はそうだった。全部に、赤でコメントを入れる先生もいて、よい先生のように思えるが、違う。

理由を明らかにする。そもそも、宿題を学校から出してはいけないのだ。学校の授業時間内で、やるべき学習を済ませるのが原則だ。本来、子どもの実力をその場で伸ばせないといけない。

宿題を出すと、教師に甘えが生じる。1時間の中で授業を完結しなくても平気になる。教師が「よし!この1時間で、子どもたちに分からせるぞ!」と意識できれば、無駄がなくなる。

宿題を出さない先生は、仕事をさぼっているのではない。宿題を出さなくても大丈夫と言えるように授業を工夫しているのだ。

1時間の授業でたった1問だけをみなで考える授業をする先生がいる。授業中に扱わなかった練習問題を宿題にする。応用問題がある宿題のとき、勉強が苦手な子はできない。できないから宿題をやらない、やらないから先生に叱られるという悪循環にはまる。不登校になる子もいる。私が勤めた学校にもいた。

宿題には頼らず、1時間で授業を完結させる。子どもに学習内容を理解させる。そんな、宿題を出さないという先生は、全国に多くいる。

宿題を出す先生が、必ずしもよい先生とは言えないのだ。