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ハリル流を受け入れられなかった、日本代表の「ナイーブな一面」

問題はどこにあるのか?
小宮 良之 プロフィール

神風は吹かせられる

だとしたら、新体制のアドバンテージはどこにあるのか。

集団戦術の点で見ると、一つの答えに当たる。

Jリーグのクラブを見てみても、日本は独特のカラーを持つ。名将論が語られる一方、チームとして力を発揮するクラブに、必ずしもカリスマ性の強い指揮官はいない。

2000年代に最強を誇ったジュビロ磐田は象徴的だろう。監督よりも選手たちが主導権を握っていた。藤田俊哉、名波浩という二人を中心に創意工夫を重ね、戦いを成熟させていった。一人の監督の強烈なリーダーシップで動くよりも、選手が集団を動かしていた。

2013年に天皇杯で優勝し、リーグ戦も最終節まで首位だった横浜F・マリノスも、中村俊輔がピッチの指揮官として振るまい、ジュビロと似た傾向があった。

2016年Jリーグ王者の鹿島アントラーズ、2017年にJリーグ優勝の川崎フロンターレ、そして2017年にアジアチャンピオンズリーグで優勝した浦和レッズも、同じ特色が見える。しかも鹿島、浦和に関しては、シーズン途中に監督が交代している。

2010年ワールドカップのメンバーも個性と自主性が強かった。自分たちの感性で、当時の岡田武史監督に戦術変更を打診。それは大会直前のことだった。しかし、これによってグループリーグでカメルーン、デンマークにしぶとく勝利し、決勝トーナメント進出をはたしている。

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実はこうしたケースは、欧米ではあまり見られない。選手発信で戦い方を進言するなど、欧州や南米の監督は認めないだろう。それはほとんどの場合、反逆行為と見なされる。

逆説的に、西野ジャパンの活路があるとすれば——。追い込まれた選手たちによる、「突き上げ革命」かもしれない。

長谷部誠、本田圭佑、岡崎慎司、吉田麻也、長友佑都、川島永嗣、香川真司など、代表には世界の舞台で感覚を磨き、道を切り開いてきた選手がいる。酒井宏樹、乾貴士など、欧州トップリーグのクラブで主力となる選手もいる。

崖っぷちに立った彼らが反発力を見せられるか。

ワールドカップは短期決戦だ。神風を吹かせることは不可能ではない。

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