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全国に急拡大する「子ども食堂」に、いま圧倒的に足りないもの

「子どもの貧困対策法」成立から5年
大西 連 プロフィール

子ども食堂のこれから

全国に2200ヵ所にも拡大した「子ども食堂」の活動は、次のフェーズに移っていくタイミングであると言えるのではないだろうか。

くしくも、今年は「子どもの貧困対策法」が成立してから5年。貧困の問題が「ないもの」から「社会として取り組まなければならないもの」に変化していく流れのなかでの象徴的な取り組みとも言える。

いまある子ども食堂が5年後にどのくらい残っているかはわからない。増えているかもしれないし、減っているかもしれない。

ボランティアでは続けられなくて撤退するところもあれば、地域の人たちの互助的な支えで続けているところもあれば、公設のところも存在するだろう。

子ども食堂が今後、地域のなかでどのような場所、役割、機能になっていくのか。むしろ、そういった活動に関わる担い手の一人としても(貧困問題に関わる立場としても)、非常に楽しみである。

 

一方で、「絆創膏」を「処方箋」に変えていくためには、私たちはまだまだ多くのことをしなければならない。

政府は2018年度予算において、生活保護基準の引き下げを閣議決定し、先日、国会において与党の賛成多数により成立した。

政府が定めた新しい生活保護基準では、有子世帯の43%、母子世帯の38%において、生活保護費が減額されることになる。これは明確に子どもの貧困対策に逆行する施策だ。

残念ながらあまり報道されていないが、野党6党は3月29日に通称「子どもの生活底上げ法案」(正式名称「生活保護法等の一部を改正する法律案」)を議員立法で衆議院に提出し、この生活保護基準の引き下げを停止し、生活保護家庭の大学等(大学・短大・専修学校等)への進学支援の強化を求めている。

私たちの生活と政治はつながっている。今国会での議論も注目だ。

「絆創膏」を「絆創膏」でとどめてしまうのか、「処方箋」にすることができるのか。子どもの貧困にどう立ち向かうのか、地域をどのようにつくり直していくのか。

私たちにできることはまだまだたくさんある。