(C)ペス山ポピー/新潮社
漫画 エッセイ

「死」が興奮材料って…変態倒錯野郎が深く落ち込んだ瞬間

それでも自分の股間の味方でいたい

実録 泣くまでボコられてはじめて恋に落ちました。』という衝撃的なエッセイ漫画の作者・ペス山ポピーさんのインタビュー。

後編では、ネットで知り合った人と出会うときに気をつけていること、ボコられるのに必然性を求める背景、自分を責めている描写が多い理由……などさまざまなことを聞いた。

(取材・構成/山本ぽてと)

ネットで出会う際の注意点

――恋人や結婚相手との出会いにインターネットを利用することも一般的になりつつあると思うのですが、ネットで出会う際に気をつけていることはありますか。

ぺス山:単子本のおまけとして、ネットでの出会いの注意点をいくつか載せているので、ぜひ読んでいただきたいと思っています。

まず電話を絶対にする。私は30分ほど話しますね。声を聞くとだいたい人となりがわかります。楽しく喋れるかどうか、冗談を言って笑ってくれるか。ふつう面白そうなことを相手が言ったら愛想笑いをすると思うんですけど、それをしない人はけっこうヤバいと思っています。あえて失礼なことを言ってみて、怒る人とは会いません。

次に写真をもらったら、ネットで類似画像検索をしてみてください。芸能人の写真を荒く加工している場合も多いです。類似画像かつ通話にも答えない人とは会いません。それなのに家の場所だけ聞いてくる人もいるので、気をつけてください……。

そのほかの工夫として、なるべく人気の多いところで会う。渋谷のハチ公前とかにしましょう。人気のない場所で会うと、ヤバいと思っても逃げ切れません。周りに人がいれば助けを求められる可能性があります。

同じ理由で、車で会うことは避けて、なるべく駅に集合しています。仮に車で会うことになったとしても、家から遠く離れた場所を待ち合せ場所にしたり、相手には車を降りた状態で会ったりしています。

そして最後に、友人には「この日、この場所でこの人に会います」と伝えておきましょう。相手に会うときも、「友達とこのあと○○駅で約束している」と言うと、下手なことはできません。

――様々な工夫をされているんですね。

ぺス山:怖いんですよ。死にたい勢いで殴られるんですが、死にたいわけではないんです。『ボコ恋』を読んで「私も殴られたい」と思った人がいたら、くれぐれも気をつけてほしいと思いました。これを守ったとしても、100%安全ではないので、本当に気をつけてください!

 

「自分だけは自分の股間の味方でいよう」

――『ボコ恋』を読んでいて面白いなと思ったのは、ただ殴られるだけではダメで、暴力に「必然性」が必要だと描かれていた部分です。(第7話「必然的に、ボコられたい」)

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ぺス山:「必然性」は『殺し屋1』にでてくるマゾヒストのやくざ垣原が言ったセリフです。垣原は暴力に必然性を求めます。

最初にプレイをして殴られたとき、現実の痛みでも興奮できることは分かったのですが、少し足りない感じがしました。それは「必然性」が足りなかったから。壁際で立って声を掛けられながら殴られるのは暴力に「必然性」がなく、予定調和だと思いました。

私は暴力が嫌いなので、暴力から逃げたり隠れたりしたい。「いまからあなたを殴ります」というのは野暮だという感覚があります。でもプレイとしては正解なんですよ。いきなり殴ったりしたら危険なので。

新生・ブルーバックス誕生!