規制緩和・政策

カジノ誘致を巡って「第二の加計学園問題」が起こりうる懸念

いまの予定地もなんだか腑に落ちない…

なぜこの3ヵ所なのか

2025~26年をめどに、日本にも、ラスベガスやシンガポールのような大規模なカジノ・リゾートが登場する見通しになった。自民、公明の連立与党が先週火曜日(4月2日)、最後の焦点だった、日本人客のカジノ入場料を6000円とすることで合意、今国会にカジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法案が提出され、可決・成立する公算となったためだ。

「当確」と言われる大阪市を始め、全国の8つの自治体が”カジノ特区”の座を獲得すべく、招致活動を本格化している。

政府、与党は、カジノ反対派にも配慮して、「ギャンブル依存症」対策などを盛り込んだIR実施法案を国会に提出する方針だ。しかし、皮肉なことに、ここにきて、その配慮が仇になると懸念する声があがり始めた。問題は、登場するカジノの数を抑えるため、”カジノ特区”の数を全国で3カ所までと制限したことにある。

 

誰もが知っているように、1年以上にわたって世論を騒がせている「モリカケ疑惑」の発端のひとつは、獣医学部の新設が可能な特区を愛媛県今治市にすることで、安倍総理の友人が理事長を務める加計学園だけに獣医学部創設の道を開き、対抗馬の京都産業大学を排除したことにある。

同じように、今回のカジノ特区も全国3ヵ所に絞り込んだため、モリカケ問題と同じ火種を抱え込んだとされているのだ。果たして、カジノを「第2の加計学園問題」にしない方策はあるのだろうか。

紛らわしいので最初に確認しておくと、ここで言うIRは、Investor Relations(企業の投資家向け広報活動)ではなく、 Integrated Resort(統合型リゾート施設)を指す。IRに統合される施設はカジノのほか、ホテル、劇場、公園、アミューズメント施設、博物館、国際会議施設、研修施設、イベント会場などなんでもありだ。

ただ、コア施設はあくまでもカジノである。というのは、海外の一般的なIR施設では、カジノが全体に占める面積は5%未満なのだが、売上高では80%以上占めるからである。換言すれば、稼ぎ頭のカジノ建設を認める経済特区を作り、様々な投資を呼び込むことがプロジェクトの成否を握るカギなのだ。

こうしたカジノの経済効果に最初に着目したのは、1990年代から東京都知事をつとめた石原慎太郎氏の「お台場カジノ構想」とされている。以後、海外企業からの強い働きかけもあり、カジノ建設は長年、懸案だった。

安倍政権がここ数年、IR実施法案作りを推進してきた背景には、経済波及効果に加えて、カジノが「東京オリンピック・パラリンピック後のインバウンド(訪日外国人観光客)拡大の切り札」になるという読みがある。政府は、インバウンドの獲得目標を「2020 年に 4000 万人、2030 年に6000 万人」としており、2020年以降の10年間にインバウンドを2000万人増やす目標を立てている。

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