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日本文化

外国人観光客を「なんとなく」増やすことに私が断固反対する理由

日本の皆様、本当に覚悟はありますか?
日本中どこへいっても外国人観光客の姿を目にするようになった。これほどの規模で外国人を受け入れたことは、この日本列島の歴史上、初めての事態だ。経済効果の名のもとに「なんとなく」進められている観光立国政策だが、そのリスクについてなぜ誰も何も言わないのか。日本国民には本当に「覚悟」があるのだろうか…。

なぜか、反対派がいない…

テレビ朝日の「ビートたけしのTVタックル」にコメンテイターとして呼ばれた。「迷惑外国人問題どうする」の特集である(放映は2018年4月1日)。

外国人がおおぜい入国しているが、日本のルールを守らない人が増えている。それについて意見を交わす回であった。

私は、べつだん国際問題の専門家ではないし、観光立国に対して具体的な政策案を考えているわけではない。

いちど、この現代ビジネスのコラムで、「外国人観光客を大量に受け入れて、日本はホントに大丈夫なのか」というのを書いた(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50923)。2017年の2月の記事である。

「いきなりたくさんの外国人を日本に入れてしまうと、どこかで国民心理をとてもまずいものに転換してしまう可能性がある」と述べた。だから、観光立国政策はもうすこし慎重におこなったほうがいい、という意見である。

それを書いたから、この番組に呼ばれた。

どうやら、そういう意見を言う人が世の中にはあまりいないらしい。

驚きである。いったい日本はどういう人たちで構成されているのだろう、とふとおもってしまった。

外国人をどんどん受け入れるべきだという意見の人はたくさんいるが、それは少し考えるべきだ、という意見の人が、あまりいないようなのだ。

ふーむ。

もちろん個人的なブログで観光立国反対を唱えている人はいる(けっこう多いようにおもう)、しかし比較的公的な場で(この現代ビジネスのようなところで)そういう発言をしている人が、あまりいないらしい。

たしかにすこし探してみたが、ほとんど引っかかって来なかった。

テレビ局の人も、検索して、観光立国に反対の意見は私のものしか見つけられなかった、と言っていた。

たぶん、もう少し探せば見つかったのかもしれないし、そもそも私も全面反対しているわけではなく、手順に疑問を呈しているのだが、まあ、それでも私しか見つからなかったようなのだ。

 

「いい面」ばかりが強調されている

とても不思議な気分である。

外国人観光客がやってくると、ふつうにいい面があるが、同時に不都合な面も出てくる。当然だろう。彼らは日本人ではないし、日本のマナーを熟知しているわけではない。現場では、いくつかの問題が起きている。

しかし、いま、なぜか「観光立国」は日本として全面的に善、ということになっている。

いまあるものを活用することによって、さほどの投資せずとも、金を儲けられそうだから、ということなのだろう。言葉は悪いが、「ここが楽して儲けられそうですぜ」という気分を基底として、国民を巻き込もうとしているようだ。

言ったからすぐ取り消しておくが、楽して儲けられるものなんて、世の中にはない。

観光立国を本気でやるなら、もっと日本人の根底的な意識から変えなければいけないし、実際にそういう指南書がいくつも出ている。金を儲けるためには絶え間ない努力が必要だし、リスクも負わなければいけない。

しかし、どうもいまのところ「いい面」ばかりが強調されて、リスクは説明されていない。

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