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サッカー

サッカー日本代表「ハリルホジッチの代わり」は、すぐそこにいる

彼なら閉塞感を打ち破れる
3月23日のマリ戦、1対1の引き分け、27日のウクライナ戦は1対2の敗戦。ワールドカップまであと3ヵ月を切り、ハリルホジッチ・ジャパンは不安視どころか、惨敗必至という危機感を覆われている。監督解任はありうるのか。解任後はどうするのか。今回の遠征を現地で取材した戸塚啓氏は、意外に近いところに解決策はあるのではないかという。

代表結成当初からあった監督と選手の相性の悪さ

スポーツでもビジネスでも、不満が一切ない組織などおよそありえない。

個々が抱くストレスや不満が表面化するか否かは、組織が成果をあげているかどうかに関わってくる。自分の属する組織が成果を好循環にあるときに、不満を口にするのははばかられる。「せっかくうまくいっているのに、空気を読まないヤツ」と見なされかねないからだ。

サッカー日本代表も例外ではない。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の志向するサッカーと日本代表選手たちの相性は、2015年3月のチーム結成当初から決して良くなかった。

旧ユーゴスラビア出身の指揮官は「タテに速いサッカー」を好み、その手段としてDFラインからFWへのロングパスやサイドチェンジを要求する。3月23日と27日にベルギーで行われたテストマッチでも、ハリルホジッチ監督はFWの選手の名前を何度も叫んだ。「前線へ蹴れ!」との指示である。空席が目立つスタンドには、指揮官の声が何度となく響いていた。

3月23日のマリ戦で得点をあげた中島翔哉(photo by gettyimages

1対1の競り合いにも果敢に挑め、と説く。ボールの奪い合いを意味する「デゥエル」というワードは、ハリルホジッチ監督の記者会見には欠かせないものだ。

 

しかし、日本人選手はロングパスではなくショートパスを使ったサッカーを得意とする。狭い局面でもボールを止めて蹴る技術があり、身体の大きな外国人選手を敏捷性で揺さぶれることが大きな理由だ。同時に、ショートパスをつなげる距離感に選手同士がいることで、身体の小ささをカバーする意味も含む。1対1ではなく2対1の、2対2ではなく3対2の局面を作り出すことで、フィジカルの劣勢を補っていくのである。

ハリルホジッチ監督の要求するサッカーを、選手たちは取り入れようとしてきた。スピードある攻撃は現代サッカーの潮流であり、デュエルで負けないこともまたサッカーの原理原則だからだ。

アジアの国々が相手なら、それでも結果を残すことができた。率直に言って日本らしさは失われていたが、勝利は何よりの説得材料になる。ロシアW杯最終予選を首位で通過した昨年9月までは、表立った不満は聞こえてこなかった。

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