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佐川氏が証人喚問で陥った「悪魔の証明」という罠

なぜその証言を信用できないか

森友学園への国有地売却をめぐる公文書改ざんの問題で、3月27日に衆参両院でおこなわれた財務省の佐川宣寿・前理財局長の証人喚問。

「刑事訴追の恐れ」を理由とする証言拒否によって辛くも逃げきったようにみえるが、佐川氏の証言には隠れた「落とし穴」があった。

この証言は信用できるのか。安倍政権や大阪府の思惑(過去記事参照)も視野に入れつつ、私たちが冷静な目で判断することが求められている。

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自信満々の「悪魔の証明」で窮地に…

佐川氏の証人喚問の特徴は、刑事訴追の恐れがあるとして40回以上も証言を拒否しながら、一方で「首相官邸からの指示はなかった」と自信満々で言い切ったところにある。

このように、「なかった」という事実を証明することを「悪魔の証明」という。不存在を証明するには、全ての存在事実を調査し尽さなければならない。それは事実上不可能であるから、こう呼ばれる。

佐川氏は、自信満々でこの「悪魔の証明」をやってしまったのである。それが自分を苦しめることに気付いているだろうか。

 

首相側からの指示が「なかった」という証言は、「私は、文書改ざんに最初から最後まで全面的にかかわっていたから、不存在を証明できる立場にある」という前提があって初めて信用できる。

とすると、佐川氏は文書改ざんの全面的な実行者あるいは主犯格に近い立場であることを自認しているに等しい。

首相の指示がないのに、勝手に自分たちが文書を改ざんした。そのことを認めて重い罪を背負う供述をしたことになる。

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