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「ヤバい数字」を隠すため…?中国全人代の幹部人事のウラを読む

中国経済が抱える爆弾

デタラメを暴く、ナンバー2

3月19日、中国の全人代(全国人民代表大会)は政府機能を担う国務院の副首相や閣僚を選出した。

筆頭副首相には共産党序列7位で政治局常務委員の韓正氏が就き、その他の副首相は習近平氏の側近で経済ブレーンの劉鶴氏らが担う。また、中国人民銀行の総裁は同行副総裁の易綱氏が昇格するなど、経済政策に強い人物を中央に固めた形となった。

この人事は、習近平国家主席の「一強独裁」体制が色濃くなるなか、長期政権の運営には経済政策の強化が欠かせないと政府が考えてのことだろう。だがもうひとつの側面から見れば、習氏の独裁を維持するため、強力な「ナンバー2」の登場を阻止するためとも見てとれる。

 

これまで、経済政策は李克強首相が主導してきた。李氏は遼寧省の党委員会書記だったころ、「李克強指数」で有名になった。

これは、中国が発表するGDP統計は信頼できず、それよりも鉄道貨物の輸送量、銀行融資残高、電力消費の各統計から経済指数を導き出したほうが、信頼度が高いと発言したことに由来する。実際欧米のシンクタンクでは「李克強指数」を使って中国の経済の実力を測ろうとしてきた。

このエピソードが示すとおり、李氏は中国の経済の実態に通じていて、なかなか指摘しづらい政府のごまかしを率直に指摘してきた人物でもある。

しかし、劉氏の副首相起用で、李首相の影響力は一段と低下するだろう。筆頭副首相に共産党序列7位の韓正氏をあてたのも、政権運営で反抗分子となる存在を作らないためだと考えれば合点がいく。

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