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ライフ 週刊現代

老親が忘れてしまった「放置資産」見つけたら、こんなに儲かった

認知症急増で 塩漬け資産が150兆円に

「ウチの親が株を持ってた?そんなことあるはずがない」。そう思い込んでいたら、大間違い。親が子供に伝えていないだけの可能性も十分にある。あなたの実家にも、埋蔵金が隠れています。

高齢者が証券の半分を持つ

2年前に父親を亡くした田辺望夫さん(仮名・70歳)は当時のことをこう振り返った。

「母に先立たれた父は、晩年を有料老人ホームで過ごし、かつて住んでいた家は随分と荒れていました。そこで業者に遺品整理を依頼したんですが、

作業が終わった後、業者の方から『重要書類です』と書類の束を渡されました。中身を調べてみると、〈中間配当書類〉などと書かれた封書がある。しかも、三菱電機や伊藤園といった上場企業から届いたものなんです。

証券会社から届いた書類もあり、問い合わせてみると、父は随分と株を買っていたことがわかりました。総計で300万円以上。私を含め、3人の子供はそのことを誰も知らなかったんです」

 

老親が亡くなり、重い腰を上げて業者に実家の片付けを頼んだところ、予想もしないような「放置資産」が見つかる――。本誌が複数の遺品整理業者を取材すると、多くの業者がこうしたケースに遭遇していることが次々と明らかになった。

しかし、こうした話を聞いても、「まさかウチにそんな資産があるはずがない」と考える方もいるだろう。

だが、今年1月に発表された、ある報告書を見れば、そんなふうに思い込んでもいられないはずだ。大手証券会社の社員が興奮気味に語る。

「みずほ総合研究所が出した『緊急リポート』が業界関係者の間で話題を呼んでいます。タイトルは『高齢社会と金融』というもの。

注目を集めているのは、高齢者が保有する有価証券(株式、投資信託など)の金額と割合が、今後激増していくと推計されている点です。

現在、有価証券のうち、70歳以上が保有する割合は41%、保有額は106兆円にとどまっていますが、これが'35年には、割合で50%、保有額で468兆円にもなるというのです。

高齢者の人口が増えることがひとつの大きな要因ですが、加えて、高度経済成長期にカネを稼いだ世代は、高齢になってもそれなりに余裕があるので株や投資信託を運用できる。それで、こうした数字が出てくるのだと考えられます」

さらに、昨今の銀行のビジネスモデルの変化も、こうした傾向に拍車をかけるかもしれない。生命保険会社などを経て、ファイナンシャルアソシエイツの代表を務める藤井泰輔氏が解説する。

「近年、銀行員が高齢者にリスクの高い投資信託商品や外貨建ての保険などを、十分な説明をせずに販売する事例が増えています。中には、高齢になって判断能力が衰えていることに付けこんでいる銀行員もいる。

これは、マイナス金利が続き、苦境を余儀なくされている銀行が、投資信託や保険を販売する『手数料ビジネス』にシフトした結果です。これを収益の柱として掲げる銀行もあります」