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学校・教育 ライフ

ADHDの息子はなぜ他人と揉めるのか?考え抜いた私の結論

運命の出会いが教えてくれたこと

ADHDと軽い自閉症スペクトラムがある息子・リュウ太は、人間関係で何度もつまずいてきました。自閉症スペクトラムが原因で他人の気持ちを考えることが苦手なうえ、ADHD由来の気性の荒さもある息子。小~中学校では、同級生と手が出るバトルに発展することもありました……。

息子がトラブルを起こす度に、学校からかかってくる電話に脅える私……。本当にごめんなさい! もう勘弁してください~(汗)。

(前回までの記事はこちらから→http://gendai.ismedia.jp/list/author/nyankokanashiro)

「なんで揉めるの?」を分析してみた

それにしても、どうして息子はこんなにお友達と揉めてしまうのでしょうか。小学校高学年の頃に、学校の先生に伺ってみたことがありましたが、「手が出てしまうのはいけませんが、成長過程で仕方のないこと。男の子はみんな同じようなもんですよ」とおっしゃいました。

一般的に、“相手を気遣う心”は小学生の高学年にならないと育たないそうです。それも男の子より女の子のほうが身に着けるのが早いとも言いますから、“男の子はみんな同じ”という先生の話も、あながち間違っていないのかもしれません。

でも、リュウ太には発達障害があります。他人の言動を見習ったり、取り入れたりすることが苦手なので、同級生の男子よりもさらに心の成長が遅いと思うのです。

前のコラムでも紹介しましたが、児童精神科医の先生に言われた「発達障害がある子は心の成長がゆっくりなので、本来の年齢より3割幼くみて接しましょう」という言葉通りなんだと思います。

「このまま様子を見ても、良い方向にはいかないのではないか」と思った私は、ケンカの原因を本人から詳しく聞き出してみました。そこで気がついたのは、ADHD特有の衝動性が原因らしいということでした。

衝動性が強い息子は、頭に浮かんだことから口にします。「いつ、どこで、誰が、何をした」といった情報が足りないまま、ガンガン話をまくしたてるので、相手には伝わりません。伝わらないどころか、何を言っているのか分からないから、聞いている方はイラっとくるのです。

だからお友達も、「意味わかんねーよ」などと、リュウ太への返事がついついキツイ言い回しになってしまいます。それをリュウ太は「楽しく話していたのに、突然ケンカを売られた」と受け止めて、言い合いに発展しているようでした。

「これって“他人とうまく関わるコツ”を知らないだけで、コツを知れば少しは改善されるんじゃないかな?」と私は考えました。とはいえ、私も上手なコミュニケーションのコツなんてわかりません。「相手の気持ちも考えようね」「言い方を変えてみたら?」などと、その都度思いつくアドバイスをしながらやり過ごしていたのでした。

ワークショップとの出会い

そんなときに、運命の出会いがありました。

発達障害 うちの子将来ど~なるのっ!?』というコミックルポの取材で、「イイトコサガシ」という当事者会(発達障害の人が運営している自助会)のワークショップに参加したのです。

「イイトコサガシ」では、“発達障害の人に、コミュニケーションの練習をする機会を提供する”というコンセプトで、全国でワークショップを開催しています。発達障害がある人だけでなく、その家族や支援者など、誰でも気軽に参加できます。

ちなみに初めて参加したのは2011年のことですが、その後もワークショップに改良を重ねつつ、「イイトコサガシ」は現在も活躍中です。興味のある方はコチラ

私が参加したワークショップは、数人ずつのグループで行いました。予め時間や話すテーマなどのルールを決めたうえで、雑談をするスタイルです。

この会の面白いところは「とにかくお互い褒める!」ことです。「自分はコミュニケーション力が低いからダメだ」と劣等感を抱いている人の気持ちを、アゲアゲにするためなんだとか。だから、うっかり失言をしても、「変なこと言って失敗しちゃったな……」と落ち込む必要がありません。むしろ「話をして楽しかった」という記憶だけが残るんです。

この会を運営するのは、冠地情さん。ご自身も、発達障害の当事者なんだそうです。ワークショップの中では、当事者ならではの視点からコミュニケーションのコツを教えてもらいました。

●自分ばかり話さない。相手にも話を振って、お互いに話せるように気遣うこと
●苦手な話題も、食わず嫌いにならないで参加してみること
●相手の会話で分からないことがあったら、質問するといい。そうすると、会話のキャッチボールが続く
●マイナスな言葉は選ばないようにする

など、具体的なルールが多く、参考になることばかり。ボンヤリ生きていた私は、「そうだったんだーー!」と、霧が晴れるような感覚がありました。発達障害の人が持つ弱点と対策について、ようやく体系的に理解できた気がしたのです。

もちろんこれまでも、息子のためにいろいろと考えてきたつもりでしたが、結局何も分かっていなかったんだな~って思いました。てへへ……ダメ母っす☆

新生・ブルーバックス誕生!