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仏教徒とクリスチャンの「異宗教夫婦」が"終活問題"を考える

お墓の話は早くしておくと長生きする?

「日本仏教」とかけて「ラジオ」ととく、そのこころは「色んな宗派(周波)があるでしょう」―こんなバカバカしいお笑いが許される日本は、世界でも珍しい、宗教に寛容な国です。

そんな国だからこそ、昨今、信仰は「家」から「個」へと変わりつつあるのかもしれません。

そして、信仰が個人のものとなると起こり得るのが「異宗教結婚」です。

「神道」と「仏教」、「キリスト教」と「仏教」、また同じ仏教同士でも宗旨が違う……そんな二人が永遠の愛を誓って夫婦となった場合、お葬式、またお墓の問題をどうしたら良いのでしょうか?

「落語家」兼「尼僧」である私がクリスチャンの夫と結婚したのは7年前。結婚が決まった当初、私たちが真っ先に話し合ったのは結婚式場を決めることではなく、お葬式とお墓のことでした。なぜなら近年宗教界では「アベコベ現象」が多発していたからです。

 

「アベコベ現象」とは?

Aさん一家は三人家族。妻がクリスチャン、夫は仏教徒、息子さんも成人してからは父親とともにお寺の手伝いをすることもありました。

あるとき、夫が亡くなりました。心身ともにショックを受ける妻に、「お寺へ連絡する?」と言う息子の声は届きません。「だって、お寺のことよく分からないし……」。そこで妻は教会へ行き、神父様に夫が亡くなったことを伝えました。その結果、仏教徒である夫のお葬式をキリスト教会ですることになりました。

またそれから月日が流れ、クリスチャンの妻が亡くなりました。息子さんは「母はクリスチャンだったけど、教会のことはよくわからないし……」と、とりあえずお寺のご住職に相談。そして、クリスチャンだった母のお葬式をお寺ですることになりました。

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仏教徒の夫がキリスト教会で見送られ、キリスト教徒の妻がお寺でお葬式をする、「アベコベ現象」が起こってしまったのです。

私は長年、各地で起こっているこのような現象について、宗教者はどうとらえているのか疑問でした。そこで、僧侶、神主、牧師といった様々な宗教者と意見を交換してきましたが、その結果、意見は二つに別れることが分かりました。

まずは、「アベコベ現象は問題ではない」派。「お葬式は残された人のためにあるものだから、喪主の宗旨で葬儀をやれば良い」というご意見でした。

そして、「アベコベ現象はあってはならない」派は、「お葬式は故人の人生を表すものだから、故人の宗旨でやるべきだ」ということでした。

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