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ストーカー対策の第一人者に学ぶ、ネット社会の「自己防衛法」

相手が「普通の人」でも要注意

5種類に分類されるストーカー

読者の周囲でもストーカーに悩まされている人がいると思う。

事例研究と理論的考察、さらに問題解決に向けた処方箋が『ストーカー』 (中公新書ラクレ) には提示されている。著者の小早川明子氏は、ストーカー対策の第一人者で、この問題に20年近く取り組んでいるので、事柄の本質を理解するために最良の書だ。

小早川氏は、ストーカーについて以下の定義を与える。

〈 私はストーカーとは、「特定の相手に対する過剰な関心と、過剰な接近欲求により、無許可接近をする人」だと定義しています。もし、営業マンが商目的でなく客個人に対して関心を抱いて接近し、客から「もう来ないでほしい」と言われたのにもかかわらず接近し続けたら、彼はストーカーになったといえます 〉

ストーカーというと男女間の恋愛をめぐるトラブルと見られがちだが、それはごく一部で、親子間、師弟間、知人間、あるいはSNSの発達により直接、接触したことのない人間の間でも起きる。ストーカーは「拒絶型」「憎悪型」などの5類型に分類される。

〈「拒絶型」の動機は、崩壊した関係の再構築で、その願いが叶わなければ復讐に向かいます。(中略)殺人に至り世間を騒がせるストーカーの圧倒的多数がこの類型です。私が介入してきた事案の大部分も「拒絶型」でした。

「憎悪型」は、自分が他者(組織も含む)から何らかの被害を受けたと感じ、復讐としてストーカー行為を行います。

被害者を恐怖に陥れ、支配感と征服感を得ることができるため、その行為をやめなくなります。息子が親に対して「自分が社会で成功していないのはお前のせいだ」などと言い、追いつめていくストーキングがあります。単なる知人どころか相手は肉親なのですが、例外的にこの類型に入るものと思います。

 

「親しくなりたい型」は、個人的な関係もないのに相手に恋愛感情を持ち、自分と特別な関係があるはずだと思いこみ、一定の満足感を持ちながらさらに親しくなろうとするストーカーです。

「相手にされない求愛型」は、見知らぬ人か知人に対して一時的でもよいので会いたい、性関係を持ちたいという願望を持ち、被害者の痛みには関心なくつきまといます。つきまとう行為自体に固執することもあります。(中略)

「略奪型」は、男性から女性に対して行われるもので、常軌を逸した性癖と興味を背景に、窃視などをし、支配感と征服感を楽しみます 〉

とりわけ「拒絶型」と「憎悪型」は、行為が行き過ぎて刑事事件に発展する可能性が高い。

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