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公文書管理の専門家が問う「森友文書改ざんの根本にある問題」

「異例」「特殊」で片付けてはいけない

森友文書の改ざん問題が連日大きなニュースとなっている。これを「異例」「特殊」とするかぎり、大問題の根っこは見えてこない――情報公開や公文書管理の数少ない専門家である、NPO法人情報公開クリアリングハウス理事長・三木由希子氏が、論点を整理するとともに今後必要とされる議論の方向性を示す。

なぜここまでの改ざんが行われたのか…

財務省が、森友学園との契約に関連する決裁文書の「書き換え」をしていたことを認め、調査結果を3月12日発表した。

書き換えていたのは、森友学園との契約に際しての決議書(決裁文書)の一部である調書(契約の経緯等を説明したもの)と、書き換えた内容と不整合にならないよう関連する決裁文書の調書だ。

調査結果は全部で80ページあり、昨年2月下旬から4月にかけて書き換えた決裁文書14件の特定と、どの部分を書き換えていたのかがわかる書き換え前と後の対照表が発表された。

調査は職員からの聞き取り、職場のパソコンに残っていたデータの精査、大阪地検の保管する文書の写しの提供を受けるなどで実施し、内容の異なる複数文書を確認したという(時事通信「価格交渉の記述削除=200項目超で改ざん-森友文書問題」2018年3月12日)。

また、改ざん前の決裁文書が存在する可能性は、5日の段階で国土交通省から官邸に報告があり、菅官房長官は6日に報告を受け、安倍首相も承知していたと報じられた(朝日新聞「改ざんの可能性、事前把握認める 菅氏「首相も承知」」2018年3月15日)。

その一方で、8日の時点で財務省は近畿財務局にあるとするコピーを国会に出したが、それは改ざん後の文書だった。

また、安倍首相は改ざんの報告を受けたのは11日と14日の参議院予算委員会で答弁し、改ざん文書の把握の時系列の情報も、刻々と変わっている。

 

なぜ「改ざん」が行われたのかは、調査結果では示されていない。

結果公表後に、麻生財務大臣が理財局の一部の職員が行ったことと強調し、「佐川の国会答弁に合わせて書き換えたのが事実だ」「最終責任者は(当時)の理財局長の佐川だ」と話したと報じられている(毎日新聞「<森友文書改ざん>麻生氏「最終責任者は当時の佐川局長」」2018年3月12日)。

安倍首相は12日午後の会見で、「なぜこんなことが起きたのか、全容を解明するため調査を進めていく」と述べており、今後、さらに調査することが表明されている。

両方の発言を踏まえると、先に辞任した佐川国税庁長官の理財局長時代の責任であることを軸に、調査が行われることになるのだろう。

このままだと、調査を進める前から、最終責任者が決め打ちされた調査になりそうで、どの程度意味があるか大いに疑問だ。

財務省から独立した調査を行った方が、それなりの理解が得られる調査結果になるのではないかと思うが、残念ながらそうなりそうにもない。

朝日新聞が3月2日に決裁文書の書き換えの可能性を報道してから10日目にして、ようやく財務省が改ざんを認めたわけだが、正直なところ、ここまで多くの文書と箇所で行っていたとは想像していなかった。

国会議員に提示を求められた決裁文書から、具体的な交渉経緯や案件の背景を主に削除しており、これが1年前に公開されていれば、森友学園問題はまったく違った展開になっていただろう。

結局、国会議員に改ざんした文書を提供してごまかしてきたことになる。

また、この1年の間に衆議院選挙もあった。森友学園問題の経緯を具体的に明らかになっていれば、情報を得て判断する機会が私たちにはあったはずだが、それが奪われたことになる。

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