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学校・教育 週刊現代

頭が良すぎる天才は「1+1は?」に本気で悩むらしい

天才教授たちの華麗なる世界
あなたなら、「1+1は?」と聞かれて、何と答えますか――? 「東大教授」と聞いて、どんな人物をイメージするだろうか。やはり日本の最高学府、そこにつどう人々は並ではない。その驚くべき世界を週刊現代がリポートした。

突如「停止」する教授

「だいたいの東大教授は、社会常識を備えています。しかしその頭のよさゆえ、『暴走』してしまうこともある」と語るのは、東京大学理学部数学科に所属していた男性。この男性が数学科の教授陣について振り返る。

「O名誉教授は、『保型形式』の世界的な研究者。学食で一緒に昼ごはんを食べていた時、演劇の話になりました。

先生は、『ああ、シェイクスピアがいいですよねえ』と朗らかに言ったかと思うと、突如『リア王』を日本語で暗唱し始めた。

私が啞然としているのも気にせず、気持ちよさそうに暗唱を続ける。5分くらいして、満足したのか『うん』と暗唱を終えると食事を再開した。不思議な体験でした」

数学科に所属していた別の研究者も明かす。

「K教授は『モジュライ空間』などの専門家。先生は卒業記念パーティなどで幹事をすることが多かったのですが、そうした会でみんなと談笑していると、突然、動画が『停止』するようにピタリと動きを止めてしまう。

話しかけても応答しなくなるんです。数分して、『あ、わかった』とつぶやくと、何事もなかったかのようにまた『起動』する。当然、数学の問題を考えているんです。

ほかにも、軽い交通事故に遭って意識を確認される際に『1+1は?』と聞かれて、専門である『整数論』の問題なのかと思って、しばし真剣に悩んだという教授もいました。海外出身のある教授は、六本木のクラブで床の面積あたりの男の数と女の数を考えてナンパの成功確率を計算していました。

少女漫画誌『なかよし』を開いて女の子のキャラを眺めていないと数学に集中できない研究者もいましたよ」

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駒場キャンパスにある数学科のカンファレンスルームでは、3~4人の教授が、本もペンも持たず、ただ虚空を見つめて何かを考えている風景がよく見られるという。

数学科の教授同様、研究対象への愛が強いのは、教養学部所属で筋細胞の研究を専門とするI教授である。自らもボディビル大会で優勝したこともあるというが、その「筋肉」への愛がすごい。授業を受けた学生が言う。

「エコーで筋肉の断面を見てみよう、という授業だったんですが、先生は、体格のいい男子学生を見つけて大興奮。『君いいねえ、いい体だねえ。スポーツ何やってたの?』と彼の体にエコーを当てた。ところが、意外にその学生は脂肪が多かったんです。

すると、先ほどの情熱はどこへやら、完全に興味を失って話し方もぞんざいになった。本当に筋肉が好きなんですね」

 

文系の教授には、常識から「自由」な人もいる。

「法学部で英米法を教えているK教授は法学部で初めての女性教授ですが、やることがちょっとズレている。東大の女子新入生のためのオリエンテーションで講演した際には、愛猫を連れて登壇。

本人としてはユーモアのつもりらしいのですが、周囲は結構引いていましたね。講演の最後にはミュージカル曲を歌って学校への歓迎の気持ちを表現していました」

研究に没頭する、学内政治に邁進する、教育に注力する――一枚岩でくくられがちな東大教授も、「階級」「所属」によってまったく違う世界を見ているのである。

「週刊現代」2018年3月24日号より

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