画像:宇宙航空研究開発機構

「リュウグウ」到着まであと少し! 「はやぶさ2」は今どうしてる?

総飛行距離は30億kmを超えた
小惑星イトカワから、幾多の困難を乗り越え無事地球への帰還を果たした「はやぶさ」。その後継機として2014年12月3日、鹿児島県内之浦から打ち上げられた「はやぶさ2」は、その1年後に地球引力を利用したスイングバイに無事成功し、今年2月には、目的の小惑星である「リュウグウ」をついにその視界(光学カメラ)に捉えた。総飛行距離30億キロメートルを超えた「はやぶさ2」は今どうしているのか。

「はやぶさ2」のミッション

「はやぶさ2」は、「はやぶさ」後継機として小惑星サンプルリターンを行うミッションです。「はやぶさ」は世界で初めて小惑星からその表面物質を持ち帰ることに成功しましたが、そのミッションには多くのトラブルがありました。

「はやぶさ2」では、「はやぶさ」の経験を生かして、よりトラブルの少ない確実なミッションを目指します。そして、「はやぶさ」が探査した小惑星イトカワ(S型)とは別の種類の小惑星(C型)を探査することにより、惑星の起源だけでなく地球の海の水の起源や生命の原材料をも探求するミッションになります。

「はやぶさ」から「はやぶさ2」へ
「はやぶさ2」(右)探査機の構成は「はやぶさ」(左)に似ているが、「はやぶさ」の経験を踏まえて、大幅に改良されたものになっている。

「はやぶさ2」は、基本的には「はやぶさ」で行ったサンプルリターン方式を踏襲します。ただし、より確実にミッションを行えるよう、信頼性を高める様々な改良が加えられています。

またその一方で、小惑星表面に人工的なクレーターを作り、地下のサンプルを持ち帰るといった、新しい技術を使ったミッションにも挑戦していきます。

太陽系天体探査技術を向上させることも、「はやぶさ2」の重要な目的です。

S型小惑星からC型小惑星へ
「はやぶさ」が探査した小惑星イトカワ(左)はS型に分類される小惑星であるが、「はやぶさ2」が探査を行う小惑星リュウグウ(右)はC型に分類されている。C型小惑星には、水や有機物が多く含まれていると考えられている。

「はやぶさ2」が目指す小惑星は、(162173)リュウグウです。

リュウグウはC型の小惑星ですが、太陽系が生まれた頃(今から約46億年前)の水や有機物が、今でも残されていると考えられています。地球の水はどこから来たのか、生命を構成する有機物はどこでできたのか。そのような疑問を解くのが「はやぶさ2」の目的です。

また、最初にできたと考えられる微惑星の衝突・破壊・合体を通して、惑星がどのように生まれたのかを調べることも「はやぶさ2」の目的です。つまり、「はやぶさ2」は、太陽系の誕生と生命誕生の秘密に迫るミッションなのです。

2018年に小惑星に到着、2020年に地球帰還を予定
2018年に小惑星に到着、2020年に地球帰還を予定

「はやぶさ2」は2014年12月3日に打ち上げられました。2015年12月3日の地球スイングバイを経て、2018年には小惑星に到着し、2020年末に地球に帰還する予定です

「はやぶさ2」の新たな挑戦により、太陽系天体への往復探査技術を確実なものにするとともに、太陽系誕生や生命誕生の秘密にさらに近づくことができると期待しています。

「はやぶさ2」ミッションスケジュール暫定版

現時点で想定している「はやぶさ2」のミッションスケジュールを以下に示します(2018年2月21日更新版)。このスケジュールは、いろいろな要因で変更される可能性があります。状況が「済み」以外は、確定しているわけではないことにご注意ください。

スケジュール表

このスケジュール表は、変更があるたびに改定します。最新のスケジュールはこちらをチェック!

小惑星リュウグウとは?

「はやぶさ2」が目指す小惑星は、Ryugu(リュウグウ)という名前の小惑星です。仮符号は1999 JU3でしたが、2015年9月28日にRyuguという名前が付きました。この小惑星は、地球に接近する軌道を持つ地球接近小惑星(NEO)のひとつで、これまでの観測から大きさはイトカワの約2倍弱の900m程度と推定されています。

リュウグウの大きさ
左がリュウグウ、右がイトカワ

重要な点は、イトカワが岩石質の天体(S型小惑星)であったのに対して、Ryuguは有機物(炭素を含む化合物)や水を多く含むC型小惑星であることです。C型であるために、この小惑星が探査対象に選ばれました。C型小惑星は、小惑星帯の中でも太陽から遠い方にありますが、Ryuguは例外的に太陽に近いところにあるC型小惑星です。

小惑星Ryuguについては、これまで地上の望遠鏡や天文衛星を使った観測が行われてきました。その結果、自転周期が約7.6時間である(つまり、地球の約3倍速さで自転している)ことや、表面が黒っぽい色をした天体であるということも分かっています。

また、形がほぼ球形であることも推定されました。これらの情報は、「はやぶさ2」が行う探査の方式や、機器の設計・調整にも参考にされています。

リュウグウの軌道

「はやぶさ」が「イトカワ」を訪れた時、驚きの事実を我々に見せてくれました。同じように、「はやぶさ2」が向かう小惑星Ryuguにも、地球からでは知ることができないたくさんの発見があると期待されています。

「はやぶさ2」の最新情報はこちら(JAXA特設サイトへ)!

記事提供:JAXA