らゆる企業が「働き方改革」に取り組む中、アメリカではどんな働き方が今好まれているのでしょうか。
グーグルでAIの機械学習の仕事に従事したのち、パロアルトインサイト社を創業した石角友愛さんによると、シリコンバレーをはじめとするIT企業で働く女性の間では、「ワークライフバランス」という考え方はもう古いのだとか。
近年生まれた「ラークライフインテグレーション」という新しいコンセプトに迫ります。

働く女性は「スーパーウーマン」ではない

「マルチタスクもワークライフの両立もしない」

これはアマゾンCEOジェフ・ベゾスが2017年ロサンジェルスのサミットで語ったことです。「ワークライフバランスという言葉は好きではない」とベゾスは言います。そして、1日8時間の睡眠をとることを一番の優先事項にしているとも語っていました。

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バランス=両立という言葉にプレッシャーを感じている人はベゾス氏だけではなく、日本の働く女性も同じだと思います。子育て支援やキャリア教育を行う調査機関が昨年発表した調査によると、出産経験がない働く女性の約9割が「仕事と育児の両立が不安」と答えているようです。

不安に思う人が多いのは当たり前で、そもそも両立なんて不可能だと私は思っています。自分はスーパーウーマンではない、と受け入れることが大事です。

私はアメリカで7歳と2歳の2児の親として、また、最先端のAI技術と戦略を日本企業に導入する会社パロアルトインサイトのCEOとして時間をいかに効率的に使うかをいつも考えています。

私の周りのIT企業で働く女性たちの間で「ワークライフバランスという言葉は好きではない」という人は少なくありません。ワークライフバランスという言葉の裏には、時間をうまく使って50・50にしないといけない、どちらかに偏ってもいけない、どちらかを選ぶということは、もう一方を犠牲にするというトレードオフを意味するからです。

しかし、仕事も子育ても頑張っている30代、40代のみなさんはわかると思いますが、オンとオフを使い分けるなんて到底不可能なのです。フェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグ(2児の母)も「人間にオンとオフなんてない、あるのは私という人間のみ」と語っており、当時子育てと起業に追われていた私には大きな励みになったのを覚えています。

「ワークライフバランス」はもう古い

そこで、近年、新しく生まれたコンセプトが「ワークライフインテグレーション」または「ワークライフハーモニー」(仕事と生活の統合)というもの。

噛み砕いて言うと、ギリギリのラインで両立しなければいけないプレッシャーも、どちらかを選んだらもう片方を犠牲にするトレードオフもなく、そこにあるのは限られた時間をいかに自分が納得できるように使うか、その時その時を最大限に集中して過ごせるか、という心得です。

私のようにほぼ毎月海外出張を繰り返している人間には、ワークライフバランスという言葉がずっと胸に重くのしかかっていたのですが、ワークライフインテグレーションを知ってからは、「これでいいんだ」と自分の中で納得がいくようになりました。

それでは、ワークライフインテグレーション、どうやって実現するのでしょうか。

私の場合、色々試した結果一番自分にフィットしているのは仕事と家庭におけるワークフローを細分化して、自分が最大限に貢献できるところ(ハイインパクトな作業)に特化し、そうではないところはアウトソースまたは自動化をする、そのシステム作りです。

具体的には、以下の3つのポイントが挙げられます。