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金融・投資・マーケット 週刊現代

ベネズエラの公認仮想通貨から、なにやら香ばしい匂いが漂っている件

これでまた不信に拍車がかかるぞ

年率2616%のインフレ率

ベネズエラのマドゥロ大統領は、埋蔵原油を価値の裏付けとした「ペトロ」を導入し、続いて金を裏付けとした「ペトロゴールド」の発行に着手すると発表した。国家公認の仮想通貨の本格的な導入は世界初で、これをもとに外貨の獲得に努めるというが、その裏には問題が山積している。

そもそも、ベネズエラはどういう国なのか。

南米では屈指の天然資源保有量を誇り、'80年代までは石油依存が顕著だったとはいえ裕福な国であった。ところが'80年代半ば、原油価格は下落し、経済は低迷しはじめる。

 

時を同じくして、政府は社会主義政策を取り始める。これが経済活動を硬直化させ、国家の台所事情をより悪化させた。それからは慢性的なインフレが発生し、ここ25年間の平均インフレ率は年率30%以上である。これは国際会計基準における「ハイパーインフレ」(年率26%)と呼ばれる状況だ。

この惨状は、まるで'91年に崩壊したソ連をみているようだ。ソ連も石油輸出で経済運営をしていたが、社会主義体制のなかで石油による収入をアテにして、硬直的な歳出増を繰り返していた。ところが、'80年代中頃からの原油価格の低下で、財政事情が急速に悪化、結果的に政治体制も維持することができなくなってしまった。

経済が弱体化しているなか、本来ベネズエラに必要なのはきちんとしたインフレ目標の設定を含む金融政策だ。ところがマドゥロ大統領はどんどんマネーを刷って財政収入にあてていて、これが悪循環を生み出している。

今や、国際会計基準によるハイパーインフレではなく、国際経済学での定義による「ハイパーインフレ」(年率1万3000%)の危険性を指摘する人もいる。'17年、ベネズエラのインフレ率は年率2616%に到達した。正確な統計はないが、直近のインフレ率は月率50%、年率1万%にも近づいているという。

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