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企業・経営 週刊現代

日経新聞の積水ハウス「会長解任」記事に、副会長が大反論!

クーデターか、自発的辞任か

解任された前会長がクーデターだと言えば、会社側はそもそも解任ではないと火消しに回る。時価総額で1兆円を超える有名上場企業の「奥の院」でなにが起きているのか。当事者が本誌に語った。

「最後は会長がわかった、と」

大手住宅メーカーの積水ハウスでクーデター騒ぎが勃発した。

舞台となったのは、1月24日に開催された取締役会。ここで和田勇会長(76歳、現相談役)が阿部俊則社長(66歳、現会長)に退任を迫ったところ、むしろ返り討ちにあって、和田会長が辞任させられる人事抗争劇が起きたというのである。

一報をスクープした日本経済新聞によれば、午後2時から始まった取締役会では和田会長が阿部社長の退任案を提示。阿部社長を除く10人の取締役で決議をしたところ、5対5という真っ二つに割れた。

だが、積水ハウスの定款では、〈取締役会の決議は、取締役の過半数が出席し、出席取締役の過半数をもって行う〉とされているため、提案は流れた。

Photo by GettyImages 阿部俊則氏

この日の取締役会に副社長として出席していた稲垣士郎氏(67歳、現副会長)は兵庫県宝塚市の自宅前で取材に応じて、「会長からそうした提案があったことはその通りです」と認めた。

一方、取締役会はそこから急転直下。今度は社長から会長の解任案が提案されたところ、和田会長を除く10人の取締役による賛否は6対4。

返り討ちにあった形で和田会長が辞任して相談役に退くことになり、新たに仲井嘉浩常務執行役員(52歳)が社長に就任する役員人事が決定したというのだ。

和田氏はこうした一部始終について日経新聞のインタビューに応じ、「阿部氏から私の解任を求める緊急動議が出た。

理由はよくわからなかったが『ワンマンだから』ということのようで、6対4で負けた」「クーデターを起こしたという感じだ」と答えている。

 

しかし、前出・稲垣氏は「解任というのは事実と異なる」として真っ向から反論するのだ。

「日経新聞にはすでに抗議しましたが、『解任』という事実はありません。会長みずからが次の世代に譲るということで、『辞任』を申し出られたのです」

――解任動議はなかったということですか。

「決議されてないもん」

――決議した、しないにかかわらず、解任動議はあったのかどうかを知りたい。

「それは守秘義務があって言えません。言えませんと言ったらあったと思うでしょうけれども、そんなことに答える義務はない。

取締役会として辞任を受理したというのは事実です。途中の過程は話せませんが、最後は会長がわかった、と。次の世代に譲ることが必要なんやなということをわかりはったということです」

――和田氏自身が日経新聞に答えているが。

「いやいや、会長はお酒も好きだし。どういうタイミングで記者に聞かれたのか。なんであのような話をされたのかは、僕に聞かれてもわかりません」

稲垣氏はこのようにあくまで「自発的辞任」であったと火消しに回るのだが、日本を代表する巨大ハウスメーカーの「奥の院」がドロドロしてきたことは間違いない。