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規制緩和・政策 企業・経営

ウーバーvsトヨタvsソニー「タクシー配車大戦争」勝つのはどこか

それぞれの勝算を読む

ウーバー・テクノロジーズ、ソフトバンク、トヨタ自動車、ソニー……。

ここへ来て、人口知能(AI)というイノベーション(技術革新)の実用化と、その新しい技術の普及を促すために必要な規制緩和を合言葉に、タクシーのスマホ配車サービスの分野にビッグネームが本格参入する動きが相次いでいる。各社は、すでに百花繚乱の様相を呈しているスマホ配車をどう変えようとしているのだろうか。

 

タクシー業界では、小泉純一郎政権時代に行われた規制緩和の結果、都内を中心にサービスを行う台数が激増し、ドライバーに過剰な負担を強いた時期があった。ご記憶の方も多いことだろう。事故が起きれば人命を左右する分野だけに、安易な法制の変更には危険がつきまとう。

今回は、AIを利用したタクシー配車の新しいスマホアプリの登場によって、期待される利便性や便益の向上と、いまから予想されるリスクについて、最新の状況を整理しておきたい。

ウーバー新CEOが日本市場開拓に本腰

先週、アメリカの配車最大手ウーバー・テクノロジーズの新しい最高経営責任者(CEO)ダラ・コスロシャヒ氏が就任後初の来日を果たした。同氏は経済紙のインタビューなどにくり返し登場し、休眠状態に近い日本でのビジネスのテコ入れ策を二つ発信した。

ダラ・コスロシャヒ新CEOウーバーのダラ・コスロシャヒ新CEO photo by gettyimages

ウーバーは、サンフランシスコで産声を上げた設立10年目のベンチャー企業だ。非常に希少という意味で、ユニコーン企業(評価額が10億ドル以上の非上場企業)の代表と呼ばれることもある。

新CEOが発信したことの一つは、全国に約8400台のタクシーを保有する第一交通産業(本社・北九州市)との提携交渉だ。第一交通は「現時点で開示すべき事項はない」としているが、新聞報道などによると、ウーバーのアプリを使って外国人観光客の利便性を高めることが狙いで、早ければ年内にも東京、大阪、福岡、沖縄などでサービスを始める可能性があるという。

これにより、ウーバーはこれまで京都や北海道の一部で例外的にしか展開を許されてこなかったビジネスを本格化しようというのである。

ちなみに、第一交通は配車アプリで中国最大手の滴滴出行(ディディチューシン)との連携も模索している。そして、ウーバーと滴滴出行はいずれもソフトバンクの出資先だ。

もう一つ、ウーバーのコスロシャヒ新CEOが今回の来日で発信したのは、日本政府に対して、タクシーの料金規制の緩和要求を行ったことだった。

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