コミュニケーションツールになる薬箱

見守り支援機能を全面に出したのは、エーザイの「eお薬さん」だ。こちらもクラリオンの製品と同様、1週間分の薬をセットできる。薬の時間になったら、音声と画面で知らせて、その時間に飲む薬のケースが出てくる仕組みだ。

エーザイ株式会社「eお薬さん」

服薬のタイミングで家族や医療関係者にメールが送信され、薬を飲んだことが確認でき、クラウド上にも記録される。 

「eお薬さん」の服薬履歴のイメージ

 専用アプリからeお薬さんにメッセージを送り、前面パネルに表示することができる。また、アラーム音声を録音してカスタマイズできるので、家族の声で服薬を促すことも可能だ。メッセージが届いているかもしれないと思えば、薬箱を意識する機会も増え、飲み忘れも減るというわけだ。

スマホアプリ連動で外出先でも服薬管理が可能に

服薬支援ロボットやeお薬さんは、1週間分の薬をまとめて管理できるメリットはあるが、外出先での服薬忘れは防げない。そんな課題を解決してくれそうなのが、凸版印刷とデンソーウェーブが実証実験を実施した「薬箱」だ。

凸版印刷株式会社、株式会社デンソーウェーブ「iPad連動型の通信薬箱」

処方薬を1回分ずつ包む「薬包」にICタグをセットする。ICタグには薬の中身や飲むタイミングなどが記録されている。専用の薬箱に入れると、薬箱がICタグを読み取り、服薬スケジュールがクラウドに転送される。薬の時間がきたら、iPadアプリでアラートが出て飲み忘れを防ぐ仕組みだ。

薬包を箱から取り出すと、薬箱からクラウドにデータが転送され、薬を飲んだことが記録される。2017年1月に行われた実証実験では、クラウド上の記録と実験対象者が手書きで記録していた服薬記録の誤差は1%程度におさまっている。
 
実証実験の課題としては、薬包を取り出すと、薬を飲んだと記録されるため、本当に飲んだか分からないことや、外出先での服薬管理が挙げられていた。

外出先での管理については、QRコード読み取りとの組み合わせが考えられそうだ。薬を取り出した時に薬包に印刷されたQRコードを読み取れば「後で飲むために薬を持ち出した」ことを簡単にクラウド上に送信できる。

クラウド側からは、そのデータをiPhoneやAppleWatchにアラームを送信することで、服薬を促せるし、薬を飲んだらアプリから「飲んだ」記録を入力することで、外出先からも服薬を記録できる。これもQRコードを使用すれば簡単にできそうだ。今後ぜひ実用化してほしい機能である。